
万博の中心で静かに人と人を向き合わせていた建物が、やがて別の土地で再び息を吹き返す。
Dialogue Theater―いのちのあかし―は、夢洲での役目を終えたあと、大阪府泉佐野市へと移されることになった。2028年度の開館を目指し、丘陵の緑の中に新たな拠点として立ち上がる。
この建物は、もともと京都や奈良の木造校舎を組み合わせて生まれた、不思議な時間を宿す空間だった。万博では、遠く離れた人同士が対話を交わし、その様子を他者が見守るという、静かな営みが繰り返されていた。華やかな展示の中で、この場所だけは少しだけ時間の流れが違っていたように思える。
泉佐野に移されたあとも、その対話の気配は消えないだろう。建物は場所を変えながら、言葉とまなざしの交差する場として生き続ける。万博の記憶は、こうして形を保ったまま、次の土地でゆっくりと続いていく。
旧中出分校活用パビリオン、万博会場から泉佐野市へ 文化・交流拠点に
4/24(金) 7:03配信 両丹日日新聞旧細見小学校中出分校(京都府福知山市三和町中出)を活用した2025大阪・関西万博のパビリオン「Dialogue Theater(ダイアローグ・シアター)-いのちのあかし-」が、大阪府泉佐野市に移設される。文化・交流拠点となる予定で、2028年度中の開館をめざす。
同パビリオンは、映画監督の河瀬直美さんがプロデュース。旧中出分校の木造校舎が、旧折立中学校(奈良県十津川村)の南・北棟とともに移されて生まれ変わり、万博会場中心部のシグネチャーゾーンに配置されていた。
「万博184日間、毎日が人類史上、はじめての対話」をコンセプトに、分断のない未来への第一歩として、リモートでつながった人同士が対話。その様子をほかの来場者が見守る形式で、期間中に多くの人が訪れた。
閉幕後も施設に込めた理念や思想、対話の価値を将来に継承しようと、泉佐野市が活用に名乗りをあげ、泉佐野丘陵緑地に移されることが、このほど正式決定。これを受け、11日には同市でスペシャルトークショーも行われた。
河瀬さんや千代松大耕市長、大屋根リングの設計・監修を手掛けた建築家、藤本壮介さんが登壇し、移設整備の概要などについて発表。千代松市長は「河瀬さんとのご縁をいただき、移設が決定したことをうれしく思っており、大きな意義を感じています」などと話した。
(旧中出分校活用パビリオン、万博会場から泉佐野市へ 文化・交流拠点に(両丹日日新聞) – Yahoo!ニュース)