
大阪・関西万博でひときわ異彩を放っていたテーマ館「null²(ヌルヌル)」は、まるで未来の片鱗が現実に落ちてきたかのような存在だった。
膜のように揺らぐ鏡面が折り重なり、内部からロボットアームが静かに脈動するその姿は、建築というより“生き物”と呼びたくなる。訪れた者はAIが生み出した自分の分身と対峙し、奇妙に心の奥を震わせる対話を体験した。
その「ヌルヌル」が今度は、横浜で開かれる国際園芸博覧会へと姿を変えて旅立つという。園芸博での展示は万博とは異なる形式になるとのことで、落合陽一氏は「形を変えて、ヌル以上にかっこいいものになる」と語る。まるで“第二形態”へと進化する怪物のように、再び観る者を呑み込もうとしているかのようだ。
コンセプトはそのままに、しかし姿は変わる。鏡の迷宮の陰に潜むロボティクスの呼吸は、次の会場でも確かに響くだろう。移設費用を募るクラウドファンディングが進む今、あの不思議な建築生命体に再び会えると思うと、心の奥で静かに期待が膨らむ。横浜の風のなかで、新しいヌルヌルがどんな景色を映すのか――その未来を見に行きたくなる。
万博「null²」横浜へ、27年園芸博で展示…違った形で計画「ヌル以上にかっこいいものに」
12/2(火) 17:00配信 読売新聞オンライン大阪・関西万博で話題を集めたテーマ館「null²(ヌルヌル)」が、2027年3月に横浜市で開幕する国際園芸博覧会(園芸博)で展示されることになった。プロデューサーを務めたメディアアーティストの落合陽一さん(38)が明らかにした。
園芸博では、万博とは違った形での「null²」を計画しているという。
落合さんは読売新聞の取材に対し「形を変えてヌル以上にかっこいいものができると思う。(園芸博でも)スケール感を体験してほしい」と話した。
落合さんは「null²」について、コンセプトを 残して再設計する考えを示しており、移設費などを募るクラウドファンディングを実施している。
(万博「null²」横浜へ、27年園芸博で展示…違った形で計画「ヌル以上にかっこいいものに」(読売新聞オンライン) – Yahoo!ニュース)