
ナウル共和国――太平洋の青に浮かぶ、たった21.1平方キロメートルの小さな島。そこからやってきた「ナウルくん」という名の不思議なキャラクターが、万博の会場「コモンズB館」でひそかに人々の心をさらっていった。パビリオンの壁は、ファンが描いたナウルくんのアートでびっしりと覆われ、世界の喧噪の中にひとつの温かい小宇宙をつくりあげていた。
ナウル政府観光局はSNSを通じて軽やかに世界と交わり、いまや55万人を超えるフォロワーを抱えているという。砂の島の声が、電波に乗って地球を回り、人々のスマートフォンに届く。まるで潮騒のような時代の奇跡である。
万博の閉幕後、その余韻は東大阪市へと移った。花園ラグビー場でのイベントをきっかけに、「ナウル共和国東大阪臨時パビリオン」が誕生したのだ。市役所の1階から22階まで、ナウルくんのパネルやポスター、ファンアートが展示され、人々は写真を撮り、ノートに思いを記す。夜には展望ロビーから見下ろす日本夜景遺産の光の海が、遠い南洋の星空を思わせる。
東大阪とナウル――一方は鉄と汗の町、一方は海と風の島。けれど、面積を比べれば61平方キロと21平方キロ、どちらも手のひらに収まるような規模である。そこに奇妙な縁が生まれた。今、ナウルくんと東大阪の「トライくん」が手を取り合い、海を越えた友情を育てている。
万博が終わっても、この物語は続く。22階のロビーには、夜遅くまで灯がともり、風のように軽やかなナウルの笑顔が、誰かの心にそっと残っている。
東大阪市役所展望ロビーに「ナウル共和国臨時パビリオン」 万博での交流が縁
10/16(木) 20:48配信 みんなの経済新聞ネットワーク10月13日に閉幕した大阪・関西万博会場内「コモンズB館」に出展していたナウル共和国は、面積21.1平方キロメートル、人口約1万2,000人の太平洋にある小さな島国。万博開催期間中、会場内の同国パビリオンは、島の形をしたキャラクター「ナウルくん」のデザインを用いてファンが制作・寄贈したファンアートで埋め尽くされるなど、人気を集めていた。同国政府観光局は公式Xアカウントを通じて情報発信やフォロワーとの交流を積極的に行い、現在、55万人以上のフォロワーを抱えている。
「ナウル共和国東大阪臨時パビリオン」は、10月11日に東大阪市花園ラグビー場で開催される市主催のイベントで同国をPRするために市が作製したナウルくんの顔出しパネルや同国が提供したポスターとともに市役所1階から22階に移設した。手に取って一緒に写真撮影ができるナウルくんのパネルや、同国が制作したポスター、ナウルくんの名刺、同国パビリオンと東大阪市の連携・交流に関する協定書のコピー、ファンアート、ナウル共和国へのメッセージを記入できるノートなどが並ぶ。東大阪市と面積が同じ約61平方キロメートルという縁で交流が始まったサンマリノ共和国のパンフレットなども展示する。
企画課の谷一弘さんは「1階のフォトスポットは開庁時間中しか利用してもらえなかったので、週末や夜間も入場できる22階の展望ロビーに移した」と話す。同フロアには、展望レストラン「スカイラウンジ22」、市民ギャラリー、ストリートピアノなどがあり、日本夜景遺産に認定された夜景が見える。「万博が終わってもフォトスポットに多くの人が来てくれている。ナウルは東大阪市内に展示スペースを作りたいと場所の候補を探しているところなので、今後はその場所を中心に交流を続けていければ。ナウルくんとトライくんのコラボグッズも企画中」とも。
展望ロビーの開場時間は9時~23時。入場無料。10月31日まで。
(東大阪市役所展望ロビーに「ナウル共和国臨時パビリオン」 万博での交流が縁(みんなの経済新聞ネットワーク) – Yahoo!ニュース)
東大阪市がナウルと協定、万博閉幕後に「ナウル台座」を移設へ…「生まれたつながりを子どもや孫の世代に」
10/5(日) 12:51配信 読売新聞オンライン大阪府東大阪市は4日、大阪・関西万博でパビリオンを出展している南太平洋の島国ナウル共和国と広報連携協定を結んだ。同市では、閉幕後に同国館の展示物などの移設を予定している。
ナウルの面積は21・1平方キロ・メートルで、人口約1万2000人。ナウル館は複数の国が入る共同館「コモンズB」の一角にある。島の形をしたゆるキャラ「ナウルくん」や、展示物の置かれていない白色の円柱台座「ナウル台座」などが話題になっている。
4日にナウル館で行われた調印式で、野田義和市長は「万博で生まれたつながりを子どもや孫の世代にも伝えていきたい」と話した。ナウルくんは「東大阪の町工場でいっぱいナウルグッズを作ってほしい。万博が終わってもまた東大阪で会いましょう」と呼びかけた。
(東大阪市がナウルと協定、万博閉幕後に「ナウル台座」を移設へ…「生まれたつながりを子どもや孫の世代に」(読売新聞オンライン) – Yahoo!ニュース)