• 万博閉幕から

tokyo1970万博体験記 ㉒パナソニック「ノモの国」

tokyo1970万博体験記 ㉒パナソニック

ありがたいことに、神々の悪戯をかいくぐって、私は当日枠の予約を手に入れた。
導かれるままに足を運んだのは、「ノモの国」――パナソニックが創り上げた、不思議で柔らかい空間だった。

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1970年の大阪万博では、松下電器の名のもとに威風堂々とした和風の館が立ち並び、未来への夢を抱いて地中深く埋められたタイムカプセルが話題をさらった。あの時代の松下は、技術と理念の双翼で空を駆けていたのである。

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時は流れ、名を変え、姿を変えた2025年のパナソニックは、もはや企業の顔を脱ぎ捨て、「ノモ」と呼ばれる子どもたちの心を映す国へと変貌していた。

tokyo1970万博体験記 ㉒パナソニック

 

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結晶を手に取り、うちわを操りながら、我々は可視化された感情の中をさまよう。
光は言葉を喋らず、影は理屈を拒む。
まるで夢と現の間に迷い込んだような、繊細で不確かな世界がそこにはあった。

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だが、私は思わず眉をひそめる。これは果たして、あの松下の末裔なのだろうか?
まばゆいが、どこか所在がない。ファンタジーとしては見事だが、企業としての「らしさ」が、どこか遠いところに消えてしまったようにも思えた。

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期待が大きかった分だけ、感想は辛口になる。
けれど、無垢な子どもたちにとっては、この場こそが「本物の魔法」なのだろう。
私は立ち止まり、ふと見上げる。
光が揺れていた。かつて未来を語った企業が、いまは未来そのものに形を与えようとしている――その不器用な姿に、少しだけ胸を打たれた。

投稿日:2025年7月18日

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