万博初日の朝、私は「未来の都市」参加型シアターの空き枠先着予約だけを握りしめて夢洲に立った。あとは運任せ。いや、正確には、運とタイミングと通信速度の三重奏に身を委ねるほかなかった。

日程が決まったのは遅く、気づけば2か月前抽選は既に終わっていた。残された7日前抽選に希望を託し、3日分・15枠を申し込んだものの、結果は全滅。まるで神の手に遊ばれるような抽選結果だった。

はま寿司の予約すら取れず、イタリア館も埋まっている。気づけば心の中がざわついていた。だが、ここからの反撃が始まる。当日登録という名の、リアルタイムの祝祭に参戦するのだ。

入場から10分。スマートフォンを手に、私は人混みの中でリロードボタンを何度も押した。まるで古代の呪術師が祈祷するように。そして結果――

11日、「いのちの未来」石黒浩パビリオン、獲得。
12日、NTTパビリオンとパナソニック館「ノモの国」、ダブル獲得。
7日前抽選で落とされた2つを、当日登録で見事にリベンジしたのである。

この当日登録、まさしく万博に潜む“もう一つのゲーム”である。列に並びながら、祈りを込めてタップし続ける。時折ガンダムやイタリア館の枠が出現し、画面越しに歓声が漏れそうになるが、次の瞬間には埋まっている。その刹那にこそ、万博のスリルがある。

取れたときの喜びは、ただの予約以上の価値がある。もはやひとつの勝利体験だ。私はこの万博を、旅ではなく冒険として記憶するだろう。

■7日前抽選
11日PASONA
12日NTT
13日シグネチャーパビリオン 石黒浩「いのちの未来」
全部落選

■11日空き枠先着　18:40-19:00
「未来の都市」 参加型シアター入場付き
■ 11日当日登録　14:15-14:30
シグネチャーパビリオン 石黒浩「いのちの未来」　一般

■12日当日登録　11:45-12:10
NTT Pavilion※予約時間の15分前集合
■12日当日登録　15:30-15:45
パナソニック館 「ノモの国」

■13日空き枠先着　11:30-11:50
シグネチャーパビリオン　河瀨直美「Dialogue Theater – いのちのあかし -」

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