• 万博閉幕から

tokyo1970万博体験記 ⑱バングラデシュ

バングラデシュ

ブルガリア館を後にし、さて次はどこへ行こうかと夢洲の風に背中を押されるまま歩いていた。目の前に現れたのは、見慣れぬ布のうねりが空へ向かって立ち上がる、まるで砂漠の祭りに迷い込んだようなバングラデシュ館。

バングラデシュ

行列もなく、まるで自分の到着を待っていたかのように入口が口を開けている。その誘惑に抗う術はなく、私はふらりと吸い込まれるようにアーチをくぐった。

バングラデシュ

 

バングラデシュ

テントのような柔らかな曲線を描く構造の内側には、小さな物語が詰まっていた。アーチの壁面には、緻密に作られたジオラマが並んでいる。バングラデシュの村々、川沿いの市場、祈りの風景。どれもまるで時間を切り取って並べたような静けさと躍動を宿している。

バングラデシュ

その奥にはスクリーンが設えられていて、現地の祭や自然、街の喧騒と静寂が、次々と流れ込んでくる。

バングラデシュ

 

バングラデシュ

 

バングラデシュ

 

バングラデシュ

知らなかったはずの遠い国の光景が、なぜだか懐かしく胸に迫る。砂と水と人の匂いが、ほんの少しこちらにも届いてきたような気がした。

投稿日:2025年7月14日

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