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夢洲の解体現場で、またひとつ未来が静かに動き始めている。巨大な重機が建物を崩しているのに、その運転席には誰もいない。操縦者は十キロ離れた場所に座り、画面越しに瓦礫の山を見つめているという。まるでSF映画の一場面である。
大阪・関西万博の跡地で始まった遠隔解体実験は、単なる工事ではない。未来の働き方そのものを試す壮大な実験なのだ。解体専業の三同建設とコベルコ建機は、離れた場所から重機を操作し、危険な現場へ人が近づかなくても建物を解体できる仕組みを磨き上げようとしている。
画面越しに巨大な建物を崩していく光景には、不思議な感覚がある。人間は安全な部屋にいながら、遠く離れた場所で巨大な鉄の腕を動かす。未来都市で夢見た技術が、万博の解体現場で静かに現実になっているのである。
もちろん課題もある。複雑な建物の構造が見えづらいこと、視界の確保、複数の重機をどう扱うか。しかし、その試行錯誤すら万博の続きを見ているようで胸が躍る。
祭りのあとには、更地だけが残るわけではない。夢洲ではいま、未来そのものが解体現場から生まれようとしている。
離れた場所から建物解体、万博で初挑戦の技術を他の地でも展開へ…大阪にいながら東京の現場作業を行う計画も
5/19(火) 17:00配信 読売新聞オンライン解体専業の三同建設(大阪市)とコベルコ建機(広島市)は、建設現場での遠隔解体の実用化に向けた検証に乗り出す。大阪・関西万博の会場解体で導入した技術を他の建物にも展開する。人手不足の中、現場の安全性を高め、負担を減らす技術となるか見極める。
両社が共同検証契約を結んだ。コベルコ建機が開発した重機の遠隔操作システムを使い、離れた場所から建物を解体する。解体専業では初の取り組みという。解体する現場は今後検討するが、大阪から東京にある建物の解体も計画する。発電大手JERAも現場提供に協力する方向という。
両社は2月、大阪市内の三同建設本社から約10キロ離れた万博会場で、遠隔操作システムを使った解体に初めて挑んだ。手応えを得た一方、複雑な建物構造を画面越しに把握しにくいといった改善点も見つかった。
今回は、建物が倒壊する恐れがある場所での安全性や、複数の重機を切り替えながら運転できるか、解体現場で必要な視界をどう確保するか確認する。その上でシステムを磨き、運用ルールの整備も図る。
(離れた場所から建物解体、万博で初挑戦の技術を他の地でも展開へ…大阪にいながら東京の現場作業を行う計画も(読売新聞オンライン) – Yahoo!ニュース)