墓場のEVバスが移送

墓場のEVバスが移送

城東区の片隅に、長いあいだ静かに並び続けていた白いEVバスたちが、ついに動き始めたという。その光景はどこか、祭りのあとに解散していく旅芸人の一座を思わせる。

万博の半年間、彼らは夢洲へ向かう人々を運んだ。朝の光を浴びながら走り、夕暮れの湾岸道路を滑るように進み、未来都市へ向かう期待を静かに背負っていたのである。電気で走る滑らかな車体は、まさしく「未来の乗り物」の象徴だった。

しかし、不具合が相次ぎ、その未来は途中で立ち止まった。万博後、自動運転や路線バスへの転用が夢見られていたものの、安全性の問題から190台すべての使用が断念された。城東区にずらりと並ぶ姿は「EVバスの墓場」と呼ばれ、人々はそこに、未来の夢の残骸を見たのかもしれない。

けれども、18日、その眠っていたバスたちが再び運ばれていった。行き先は明かされていないという。その秘密めいた旅立ちが、かえって万博らしい余韻を漂わせる。

未来は、必ずしも一直線には進まない。試行錯誤を重ね、時に遠回りをしながら、それでも前へ進んでいく。静かに運ばれていくEVバスの背中には、そんな万博の記憶が、まだ淡く残っているように見えた。

大阪万博のEVバス、「墓場」から移送始まる 不具合相次ぎ使用断念
5/18(月) 16:47配信 朝日新聞

 大阪・関西万博の会場などで使われていた電気自動車(EV)バスの移送が18日に始まった。大阪メトロは、車両トラブルによる事故が相次いだため、全190台の使用を断念しており、昨年12月以降、SNS上で「墓場」と呼ばれていた大阪市城東区の敷地内に100台以上を止めていた。
 この日、移送されたのは万博会場で使用された小型バス2台。販売元の「EVモーターズ・ジャパン」(北九州市、EVMJ)側への引き渡しや自社による処分を視野に、大阪府外にある別の業者へと運ばれた。
 バスは、大阪メトロが2022~24年度に購入した。EVMJが中国メーカーに委託して製造したもので、150台を万博会場やその周辺で、40台を大阪市内を走るオンデマンドバスとして使っていた。
(大阪万博のEVバス、「墓場」から移送始まる 不具合相次ぎ使用断念(朝日新聞) – Yahoo!ニュース)

転用を断念したEVバス100台超 大阪メトロが「墓場」からの移動開始 移送先は非公表
5/18(月) 18:13配信 産経新聞

昨年の大阪・関西万博でトラブルが相次いだEVモーターズ・ジャパン(EV社、北九州市)の電気自動車(EV)バスについて、大阪メトロは18日、保管している大阪市城東区の同社敷地からトラックで移送を始めたと明らかにした。台数は100台を超えるが、移送先は「明らかにできない」としている。
EV社のEVバスについて、大阪メトロは、万博後に路線バスや自動運転バスの実証実験に転用する予定だったが、安全確保が困難だとして使用継続を断念した。
14日に記者会見した河井英明社長は6月末までに別の場所に移す意向を示した。バスがずらりと並んだ様子はSNSで「EVバスの墓場」などと揶揄(やゆ)されていた。
(転用を断念したEVバス100台超 大阪メトロが「墓場」からの移動開始 移送先は非公表(産経新聞) – Yahoo!ニュース)

EVバスで損失発生の大阪メトロ、担当役員の処分検討
5/14(木) 19:36配信 朝日新聞

 大阪・関西万博の会場などで使われた電気自動車(EV)バスに不具合が相次いだ問題で、このバスを導入した大阪メトロが、担当役員の処分を検討していることが分かった。複数の関係者が朝日新聞の取材に明らかにした。大阪メトロは14日に発表した2026年3月期決算で、この問題に関連して計67億円の特別損失を計上していた。
 大阪メトロは22~24年度に、北九州市のEVモーターズ・ジャパン(EVMJ)のEVバスを190台購入した。万博会場などで使った後に、路線バスなどに転用する考えだった。
(EVバスで損失発生の大阪メトロ、担当役員の処分検討(朝日新聞) – Yahoo!ニュース)

投稿日:2026年5月19日

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