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和歌山の街角に、万博の熱気がひっそり漂着している。浅川組本社で始まったフィリピン館の展示は、単なる記録展というより、夢洲から切り取られた一片の空気そのもののようである。
目を奪われるのは、あの独特な外壁だ。熱帯の風を編み込んだようなラタンの装飾と、フィリピン各地の手織物パネルが、静かなロビーの中でなお鮮やかに息づいている。会場で見たときは人波の向こうにあった細部を、ここではゆっくりと近くで眺められる。
さらに映し出される記録映像が、あの万博の日々をじわじわ蘇らせる。夢洲で見上げたキャノピーの曲線や、人々のざわめき、南国めいた色彩の記憶が、不意に胸へ戻ってくる。
難工事だったという建築は、解体後もなお別の場所で生き続けている。万博へ行けなかった人には未知の世界への入口となり、訪れた人には失われた時間への帰り道になる。和歌山にいながら、再びあのフィリピン館へ迷い込めるのである。
フィリピン館の感動再び 施工の浅川組、外壁パネルなど展示 来年3月末まで
5/12(火) 7:30配信 産経新聞2025年大阪・関西万博のフィリピン館を建設した浅川組の本社(和歌山市小松原通)で、解体した外壁の一部などが一般公開されている。会期中の記録映像なども上映し「万博レガシー」を伝える。
同館は「Woven(織りなす)」をテーマにデザイン。正面に張り出したキャノピー(庇)と、熱帯雨林地帯のツル植物「ラタン」の工芸をイメージした外壁装飾が特徴だ。外壁にはラタンのほか、同国内計18の地域を代表する200以上の手織物のパネルがはめ込まれた。同社と西尾レントオール(大阪市)が共同で建設。解体工事も手掛け、資材の一部をもらい受けた。
展示では、ラタンや手織物のパネルのほか、側壁にかかげられた「フィリピン」の文字パネルなどを紹介。万博の記録映像や公式キャラクター「ミャクミャク」のグッズも並ぶ。
浅川組は「挑戦的なデザインであるなど難しい工事だったが、誇りをもてる仕事を目指した。万博に行っていない方にも体感してもらえたら」と話している。
(フィリピン館の感動再び 施工の浅川組、外壁パネルなど展示 来年3月末まで(産経新聞) – Yahoo!ニュース)