
閉幕から1か月が過ぎた夢洲は、もはやあのまばゆい祝祭の記憶を残しながら、別の表情を見せ始めている。
朝の海風が吹き抜ける広大な敷地に、かつての歓声の代わりに、金属を切断する甲高い音が響いている。あれほど華やかに輝いていたパビリオン群はいまや静かな眠りへと向かい、作業員たちの手によって少しずつ、現実の時間へと引き戻されていく。
電力館の人工芝ははがされ、木の床板が一枚ずつ取り除かれている。その姿はまるで、華やかな舞台を終えた俳優が静かに化粧を落とすようで、妙にしんみりとした美しさがあった。
あのとき、電気の未来を語っていた空間は、今はただの建築物に戻りつつある。しかし、それでも風の中にはまだ微かに、見えない電流のような熱が漂っている。
アメリカ館の前では、かつて人々を魅了した大型スクリーンが取り外されていた。あの巨大な映像の壁に映し出されていた宇宙や夢は、今はただ冷たい鉄骨の記憶として残るのみだ。
フランス館のまわりには足場が組まれ、各国の夢の残骸が丁寧に積み上げられている。そこにあったのは、敗北ではなく、静かな達成感のような空気だった。
そして、誰もが心に焼きつけた大屋根リング。あの天空の輪も、年内には解体が始まるという。あの下で何度も風を仰ぎ、涼みに腰を下ろしたあの日々が思い出される。
光と影を織り交ぜ、人と人を結んでいた巨大な円環は、まるで万博そのものの象徴だった。もしそれがなくなったとしても、あの「包まれる感覚」だけは消えないだろう。
いま夢洲に立てば、あの輝かしい日々の残り香が潮風とともに漂ってくる。解体の音は寂しくもあるが、それは同時に「未来へと渡す音」でもある。祭りは終わり、舞台は片づけられる。しかしその跡地からまた新しい物語が芽吹くのだ。2028年、土地は大阪市に返還されるという。そのとき、この場所には何が立つのだろう。
かつて世界の夢を集めたこの地に、いま静かに降り積もるのは、鉄粉と潮の香りと、未来への余韻。人はこうして何度も作り、壊し、また夢を見る。
大阪・関西万博の跡地は、その果てしない「夢の循環」のただ中にある。いずれまたこの場所に、新しい光がともる日を信じて――私はあの大屋根リングの消えゆく輪郭を、心の中で見送った。
万博閉幕から1カ月 跡地に響く工事音 人気パビリオンでも解体進む
11/13(木) 20:06配信 朝日新聞大阪・関西万博の閉幕から1カ月となった13日、大阪市此花区の夢洲(ゆめしま)にある会場跡地の一部が報道陣に公開された。跡地内では作業員や工事車両が行き来し、コンクリートを砕いたり、金属を切断したりする音が響いていた。来春までにすべてのパビリオンが撤去される見込みだ。
電気事業連合会の「電力館」では、建物の周辺を覆っていた人工芝や、2階の床に敷き詰められた木製の板がはがされていた。人気を博したアメリカ館では、入り口付近の大型スクリーンの解体が進んでいた。
(万博閉幕から1カ月 跡地に響く工事音 人気パビリオンでも解体進む(朝日新聞) – Yahoo!ニュース)
搬出や解体進むパビリオン、威容残す大屋根リングは12月末から本格工事 万博閉幕1カ月
11/13(木) 19:22配信 産経新聞大阪・関西万博の閉幕から13日で1カ月が経過し、日本国際博覧会協会は大阪市此花区の人工島・夢洲(ゆめしま)で、会場敷地の現状を報道関係者に公開した。国内外のパビリオンでは解体作業が進み、いたるところに資材が積まれていた。会場のシンボルとなった大屋根リングも12月末には解体が始まる予定。敷地は施設の解体・撤去を終えた後、2028年2月末までに大阪市に返還される。
敷地内に重機の音が絶え間なく響く。1周約2キロの大屋根リングに解体作業の手は入っておらず、多くの来場者をひきつけた威容は開催当時のままだ。ただリングの上に敷かれた芝生は撤去が進んでいた。リング下では作業員が解体のための足場を組んでいた。
大屋根リングは北東の約200メートルを今のまま上れる形で保存し、一帯を公園・緑地として大阪市が管理する方針。解体した木材は再利用などの対象で、一部は能登半島地震で被災した石川県珠洲(すず)市で復興公営住宅の資材に使われる。
(搬出や解体進むパビリオン、威容残す大屋根リングは12月末から本格工事 万博閉幕1カ月(産経新聞) – Yahoo!ニュース)
万博閉幕から1カ月 解体進むパビリオン、大屋根リング内側でも
11/13(木) 18:31配信 毎日新聞
大阪・関西万博の閉幕から1カ月を迎えた13日、日本国際博覧会協会(万博協会)はパビリオンなどの解体作業の様子を公開した。大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)の会場跡地では、ヘルメット姿の作業員らが黙々と撤去作業を進め、廃材を搬送するダンプカーが土ぼこりを上げていた。
東ゲートに近い「電力館」では、建物内の床などの解体作業を実施。屋外では作業員が重機を使い、鉄骨やコンクリート片など再利用する廃材を丁寧に分別していた。
会場のシンボルだった大屋根「リング」の内側では、海外パビリオンの解体作業が本格化。フランス館やアメリカ館の周りには足場が組まれ、広場の所々に土のうや部材が積み上げられていた。
(万博閉幕から1カ月 解体進むパビリオン、大屋根リング内側でも(毎日新聞) – Yahoo!ニュース)
閉幕から1カ月…解体工事進む万博会場 「35日間通った」夢洲訪れ惜しむファンも
11/13(木) 19:17配信 ABCニュース閉幕前には人で埋め尽くされていた会場は、現在トラックや重機が行き交い、急ピッチで解体工事が進められています。
(高橋大作記者リポート)「こちら、子ども達にも大人気だった電力館ですね周りの芝生ははがされているんですが、最終日に来場者のみなさんが残したメッセージは外壁にまだ残っています」
関西電力などが所属する電気事業連合会が出展した「電力館」。
中では、約30のゲームが展示されていましたが、現在は資材などが置かれている状態です。
大阪ヘルスケアパビリオンでも、解体工事のスケジュールは順調で、12月末までには内外装の撤去が終わる予定です。
(Q.解体作業、さみしさを感じる?)
(大阪ヘルスケアパビリオン担当者・福田篤弘さん)「そうですね、寂しいというか、万博が終わったなぁと感じます」
各国が自前で建設した海外パビリオンについては、来年4月13日までに解体を終え、更地の状態で万博協会に返還されるということです。
(閉幕から1カ月…解体工事進む万博会場 「35日間通った」夢洲訪れ惜しむファンも(ABCニュース) – Yahoo!ニュース)
万博閉幕1カ月、会場解体進む リング一部保存、建物再利用も
11/13(木) 18:12配信 共同通信大阪・関西万博閉幕から13日で1カ月となり、大阪市の人工島・夢洲の会場ではパビリオンなどの解体や展示物の撤去作業が進んでいる。跡地は2028年2月までに大阪市に返還される。一方、会場シンボルの大屋根リングは一部を現地に残す計画で、参加国や企業が出展したパビリオンの再利用に向けた調整も活発になっている。
日本国際博覧会協会(万博協会)は13日、会場内を記者団に公開。工事車両が行き交い、重機で資材を砕く音が響いていた。米国館の巨大スクリーンはパネルが外され、マレーシア館ではヘルメット姿の作業員が外壁を覆う竹を1本ずつはがしていた。
(万博閉幕1カ月、会場解体進む リング一部保存、建物再利用も(共同通信) – Yahoo!ニュース)
【万博閉幕から1か月】誰も来ることがなくなった今も待ち続けるミャクミャク…“万博の華”パビリオンは着々と解体工事が進む
11/13(木) 19:25配信 MBSニュース大阪・関西万博は、11月13日で閉幕から1か月。大屋根リングから見える景色はあのにぎやかだった姿が嘘のようです。“万博の華”ともいわれたパビリオンは、着々と解体工事が進んでいました。
「電気事業連合会」が出展していた電力館。現在の様子はというと、外観は当時のままですが、撤去された資材が周りを埋め尽くしていました。電力館では展示内容に連動して光ったり振動したりする「タマゴ型デバイス」とともに館内をめぐり、最先端の電気エネルギー技術を学ぶことができましたが、すでに展示機器は全て撤去され、内装を解体している真っ最中でした。
そして、東ゲートには誰も来ることがなくなった今もミャクミャクが待っていました。大阪府と市が手掛けた「大阪ヘルスケアパビリオン」。会期中は人間洗濯機などが置かれていましたが、今は展示物が搬出され、外側だけが残っている状態に。
解体作業は計画通りに進んでいるということです。
(【万博閉幕から1か月】誰も来ることがなくなった今も待ち続けるミャクミャク…“万博の華”パビリオンは着々と解体工事が進む(MBSニュース) – Yahoo!ニュース)
【万博閉幕1カ月】解体進むパビリオン 跡地の活用は… 一部のパビリオンでは解体工事の遅れや廃材の処理場の確保が出来ていないなどの懸念も
11/13(木) 11:30配信 ABCニュース会場となった夢洲では先月20日からパビリオンの本格的な解体工事が始まっています。
万博協会は各国が自前で建設したパビリオンAについては来年4月13日までに解体を終え敷地が大阪市に返還される予定ですが、関係者によりますと、一部のパビリオンでは解体工事の遅れや廃材の処理場の確保が出来ていないなどの懸念があるということです。
建設の際に発生した下請け業者への「未払い問題」懸念から、解体業を請け負う業者でつくる団体は、万博協会に対し上申書を提出し、「適切なバックアップをするよう」求めています。
(【万博閉幕1カ月】解体進むパビリオン 跡地の活用は… 一部のパビリオンでは解体工事の遅れや廃材の処理場の確保が出来ていないなどの懸念も(ABCニュース) – Yahoo!ニュース)
万博・米国館やフランス館、華やかな装飾なく…パビリオンの撤去進み「解体さみしい」
11/14(金) 10:55配信 読売新聞オンライン万博のシンボルだったリングは、12月下旬にも始まる解体に向け、高所作業車が準備に入っていた。1周約2キロ・メートルのうち200メートルを現地保存し、解体後の木材は能登半島地震の被災地など各地でリユース(再利用)される予定だ。
協会職員の案内でリング上に上がると、フィリピン館、米国館、フランス館が眼下に広がり、コンクリートを壊すような工事音が響いていた。3館は構造の大部分は残っていたが、大型スクリーンや装飾が取り外されていた。
近くにある大阪ヘルスケアパビリオンは建物の一部を会場に残して解体予定で、内装の撤去に着手していた。工事を担当する男性(55)は「完成を遅らせるわけにはいかないと緊張感を持って建設したことを思い出すと、解体するのはさみしい」と語った。
個別に取材許可を取って入ったオランダ館では、壁や空調を取り外す工事が行われていた。同館は兵庫・淡路島に移築される予定で、工事を指揮する浅沼組(大阪市)の林勝也所長(60)は「丁寧に作業することをいつも心がけている」と話していた。
(万博・米国館やフランス館、華やかな装飾なく…パビリオンの撤去進み「解体さみしい」(読売新聞オンライン) – Yahoo!ニュース)