• 万博閉幕から

英国パビリオンのティーセットなどを能登の被災地へ

英国パビリオンのティーセットなどを能登の被災地へ

大阪・関西万博の熱気が遠ざかり、夢洲の風が少し冷たくなった頃、英国パビリオンから静かな贈り物が北陸へと旅立った。そこには、来場者たちが紅茶を味わいながら異国の香りを楽しんだティーセットや、展示室の片隅で輝いていた小道具たち――100点を超える品々があった。

行き先は、石川県珠洲市に建設中の交流施設「みんなの家」。能登半島地震で傷ついたまちの再生を支える場所だという。しかも、この家の建築には、万博の象徴だった「大屋根リング」の木材が使われる。あの巨大な輪が、今度は北陸の空の下で人々を包み込む屋根へと姿を変えるのだ。

紅茶の香りと木の温もりが重なり合い、世界の祝祭の記憶が、静かな港町で再び息づく。かつて夢洲にあった未来が、今は能登の風に揺れている。来年、その「みんなの家」で、英国のティーカップに注がれる一杯の紅茶を味わいたい。きっとそれは、遠い万博の余韻をもう一度感じさせてくれるに違いない。

大阪万博の「レガシー」が能登の被災地へ 英国パビリオンのティーセットなど「みんなの家」に寄贈される
2025年11月6日 12時00分 東京新聞デジタル

 閉幕した大阪・関西万博の英国パビリオンで来場者らが本場の紅茶を楽しんだティーセットなどの備品100点以上が、石川県珠洲市に建設される交流施設「みんなの家」に寄贈された。
 珠洲市では万博のシンボル「大屋根リング」に使われた木材が復興公営住宅の建築資材として活用されることが決まっており、万博の「レガシー」がまた一つ、被災地で新たな役目を果たす。
(大阪万博の「レガシー」が能登の被災地へ 英国パビリオンのティーセットなど「みんなの家」に寄贈される:東京新聞デジタル)

投稿日:2025年11月8日

“英国パビリオンのティーセットなどを能登の被災地へ”の関連キーワード