
カナダパビリオンの入り口に鎮座していた真っ赤な「CANADA」の文字。
万博の光の中で、訪れる人々を迎え、別れ、写真に収まり、静かに風を受けてきたそのモニュメントが、ついに夢洲を離れる日が来た。フォークリフトが文字を吊り上げると、まず宙に浮かんだのは「NA」。その瞬間、誰かが笑った――「『ナ』を取るので『ナトリ』ですね」と。重い金属の塊に、偶然と縁が重なった。
行き先は宮城県名取市。1991年からカナダ・ブリティッシュコロンビア州との中学生交流を続けてきた町だ。2011年の震災で深く傷ついた名取の港に、カナダの支援で建てられた「メイプル館」がある。そこには毎年30万人を超える人が訪れ、海と記憶の間で静かに祈りを捧げる。その館の前に、今度は「CANADA」のモニュメントが立つことになった。
カナダ館のテーマは「再生(Regeneration)」。展示の75%が再利用可能な素材でできていたという。ローリー・ピーターズ代表は「このパビリオンは人と自然の再生を願うものでした」と語り、最後は柔らかく「オオキニ」と締めくくった。その響きが万博の終わりを告げる鐘のように聞こえた。
赤い文字は、もうすぐ北の海風に吹かれる。津波の地を見守るように、港の朝市を見下ろしながら、遠い夢洲の記憶を伝えていくだろう。
それは単なる看板ではない。人と人、国と国をつなぐ「再生」の灯である。
カナダの「ナ」を取って… カナダ館のシンボル、宮城・「名取」へ
10/28(火) 8:00配信 朝日新聞大阪・関西万博のカナダパビリオンの入り口に置かれ、シンボルとして親しまれた「CANADA」のモニュメントが27日、取り外され、交流のある宮城県名取市に向け運び出された。
名取市とカナダのブリティッシュコロンビア州は1991年度から、中学生の交流を始めた。名取市は2011年の東日本大震災で被災。交流の縁でカナダ連邦政府が支援し、朝市が続いてきた港に交流・復興施設「メイプル館」が建った。復興のシンボルとして年間30~40万人が訪れるという。
万博が閉幕しパビリオンが解体されることを受け、今度はシンボルモニュメントがメイプル館に寄贈されることになった。この日の移設式では、モニュメントをフォークリフトでつり上げトラックに載せた。先に持ち上げたのは「CANADA」の「NA」。「『ナ』を取るので『ナトリ』」と笑わせた。
(カナダの「ナ」を取って… カナダ館のシンボル、宮城・「名取」へ(朝日新聞) – Yahoo!ニュース)
大阪・関西万博カナダ館の光るオブジェ、交流のある宮城・名取市へ移設
10/27(月) 16:45配信 サンケイスポーツ13日に閉幕した大阪・関西万博のカナダパビリオンが27日、大阪市此花区の会場内で「CANADAサイン」の梱包搬出式を開いた。
CANADAサインはパビリオン前にある「CANADA」アルファベットが並んだ巨大な光るオブジェ。会期中は撮影スポットとして人気を集めた。閉幕後は長年交流のある宮城・名取市への移設が決まった。
カナダのローリー・ピーターズ代表はパビリオンのコンセプトは「再生(Regeneration)」で、「75%が再生可能である」と説明した。「カナダのイベントや歴史を見るために多くの人に足を運んでいただいた。必見のパビリオンになり感銘を受けた」とあいさつ。最後は「オオキニ」と日本語で結んだ。
名取市の山田司郎市長は「レガシー(遺産)として、名取市に移設されることを大変うれしく思っています」と感謝を述べた。カナダと名取市は1991年度に「名取市中学生海外派遣事業」で交流がスタート。2011年の東日本大震災で被害を受けた際には「どんぐりアン・みんなの図書館」(現名取歴史民俗資料館)と「メイプル館」の支援を受けた。
パビリオン関係者によると、撤去工事は来年3月に完了する。
(大阪・関西万博カナダ館の光るオブジェ、交流のある宮城・名取市へ移設(サンケイスポーツ) – Yahoo!ニュース)
万博閉幕から2週間 カナダ館の入口「CANADA」の文字が撤去…宮城県名取市のカナダが全額出資した「メイプル館」に移設
10/27(月) 17:15配信 MBSニュース閉幕して2週間の万博会場では、カナダ館の入口にある「CANADA」の文字が撤去されました。撤去後は宮城県名取市にある「メイプル館」に移設されます。
メイプル館は東日本大震災の復興支援として2013年、カナダが全額出資してオープンした施設で、万博の雰囲気を感じてもらおうと看板の移設が決まりました。
(万博閉幕から2週間 カナダ館の入口「CANADA」の文字が撤去…宮城県名取市のカナダが全額出資した「メイプル館」に移設(MBSニュース) – Yahoo!ニュース)
万博カナダ館「CANADA」モニュメント、宮城・名取市に移設へ…市長「飾ることで感謝示し続けたい」
10/28(火) 11:51配信 読売新聞オンライン大阪・関西万博のカナダ館前にあった「CANADA」の文字をつづったモニュメント(縦約1メートル、横約6メートル)が、東日本大震災の被災地・宮城県名取市に移設されることになった。同市は震災前から中学生の派遣事業などでカナダと交流があり、万博会場だった 夢洲(ゆめしま) (大阪市此花区)で27日、搬出に向けた式典が開かれた。
移設先は、カナダ政府などが復興支援のため整備した観光関連施設「メイプル館」。津波で多くの犠牲者が出た 閖上(ゆりあげ)地区の朝市施設にあり、モニュメントは双方の友好の象徴として飾る。
(万博カナダ館「CANADA」モニュメント、宮城・名取市に移設へ…市長「飾ることで感謝示し続けたい」(読売新聞オンライン) – Yahoo!ニュース)