• 万博閉幕から

大屋根リングの雷対策

雷が鳴るというのは、天空からの激しい挨拶であり、万博の夢を一瞬にして中断させるような出来事である。だが夢洲の地には、そんな天の気まぐれにも静かに対抗する知恵と仕掛けが張り巡らされている。

大阪・関西万博の象徴ともいえる「大屋根リング」の外縁には、まるで神殿を囲う結界のごとく、一本の銀色の帯――アルミ製の「水平導体」が取り巻いている。この導体こそが、空からの怒りを受け止め、雷を地中へと流す秘密の通路である。
導体に落ちた雷は、巧妙に張られた引き下げ導線を伝って地中へと吸い込まれ、来場者たちの頭上を脅かすことはない。

この技術の傘のもと、大屋根リングの下は雷の保護範囲として、まさに「安全な異空間」として成立している。けれども、雷鳴が耳に届いたならば、それはもう雷雲が手を伸ばしてきているという兆候。
パビリオン、バス、大屋根リング――雷から逃れる聖域は万博のあちこちに用意されている。夢の時間を守るために、万博は空と地を繋ぐ術を、密やかに備えているのだ。

万博会場の『落雷対策』大屋根リングに避雷のヒミツ 避難すべき場所は?大阪の気象予報士が解説【MBSお天気通信】
5/17(土) 7:30配信 MBSニュース

落雷といえば真夏のイメージがあるかと思いますが、大阪市内では、4月ごろから増え始めます。初夏(5月)は、1か月に1~2日、夏場(7~9月)は1週間に1日くらいの確率で雷に見舞われる可能性があります。
そこで、大阪・関西万博の会場では、来場者のみなさんを「落雷」から守るためにどんな対策をされているのかを取材しました(気象予報士・吉村真希)。
大屋根リング「上」は落雷リスクが高い
(1)30~40㎞以内に雷雲を検知すると警戒態勢に入ります
(2)落雷リスクの上昇が見込まれる場合は、会場内の緊急放送と公式アプリを通して注意喚起を行います。特に落雷のリスクが高いとされている「大屋根リングの上」と「静けさの森」への立ち入りを規制し、リング上の人へ地上に降りるよう誘導します
※すでに、4月14日(月)に、落雷の恐れがあるとして立ち入り規制を実施済み
(3)さらに落雷の恐れが高まった場合は、警備員などにより来場者に、建物内や大屋根リング下へ避難するように呼びかけを行います

大屋根リングの外縁部には、「水平導体」と呼ばれるアルミ製の板がぐるりと取り囲まれていて、雷を受け止める構造になっています。「水平導体」に雷が落ちると、引き下げ導線を通って、落ちた雷を地中に安全に逃がすことができます。博覧会協会によりますと、この避雷設備によって、大屋根リング下は雷の直撃の可能性が低い「保護範囲」になっているとのことです。

雷の音が聞こえたら、雷雲が10㎞先まで近づいている証拠になります。いつ、落雷の被害があってもおかしくない状況です。避難の指示に従って行動し、パビリオンなどの建物内や大屋根リング下、バスの中などにすみやかに移動してください。
(万博会場の『落雷対策』大屋根リングに避雷のヒミツ 避難すべき場所は?大阪の気象予報士が解説【MBSお天気通信】(MBSニュース) – Yahoo!ニュース)

投稿日:2025年7月4日

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