• 万博閉幕から

EVバス、トラブルすぎて使えず

EVバス、トラブルすぎて使えず

夢洲へ向かう道には、万博の時だけ現れる特別な乗り物があった。電気の力で静かに走るEVバスである。会場とJR桜島駅を結び、未来の都市交通の姿を先取りするかのように、150台もの車両が来場者を運び続けた。
巨大な祭りを支える裏方でありながら、その静かな走りは万博の理念とどこか響き合っていた。

閉幕後、このバスたちは大阪の街を走り続け、路線バスや自動運転の実験に使われるはずだった。万博の記憶を街の交通へ引き継ぐ、いわば未来への橋渡しとなる予定だったのである。ところが現実は、少し思いがけない方向へ進んでいる。
走行中の停止やドアの不具合など、いくつかのトラブルが見つかり、安全性の確認が続けられているため、いまは運行の見通しが立っていない。

150台、総額約75億円という数字は大きい。しかしそれ以上に大きいのは、このバスに託された未来への期待だったのかもしれない。夢洲を行き交った静かな車体は、いま一度立ち止まり、次の走り出しの時を待っている。

万博のレガシーとは、完成した未来だけではなく、こうして試行錯誤を重ねながら形を探していく過程そのものなのだろう。

万博のEVバス、150台使えず 税金40億円投入も安全懸念
3/11(水) 18:24配信 共同通信

 大阪メトロが、大阪・関西万博の来場者を輸送した電気自動車(EV)バス150台の路線バスなどへの転用を見合わせていることが11日、分かった。車両の不具合があり、安全性が懸念されるため。150台分の購入費は約75億円で、うち40億円超は国と大阪府、大阪市の補助金を充てていた。メトロの100%株主の市が同日の市議会委員会で明らかにした。
 バスは「EVモーターズ・ジャパン」(北九州市)から購入。国土交通省は昨年10月、運行トラブルが続いたことから、道路運送車両法に基づき同社を立ち入り検査していた。
 メトロは万博閉幕後、路線バスに転用したり、自動運転の実証実験に使ったりする計画だった。
(万博のEVバス、150台使えず 税金40億円投入も安全懸念(共同通信) – Yahoo!ニュース)

万博から転用のEVバスは「ずっと放置されたまま」 運行めど立たず
2/27(金) 11:45配信 毎日新聞

 大阪・関西万博で来場者を輸送するため大阪メトロが導入した電気自動車(EV)バスが宙に浮いている。閉幕後に路線バスなどで活用する予定だったが、安全性に問題が生じており運行のめどはたっていない。万博後に「脱炭素」の取り組みを加速させるとの狙いは、視界不良の状況が続いている。
 大阪メトロは万博に合わせてEVモーターズ・ジャパン(EVMJ・北九州市)から、会場とJR桜島駅などを結ぶ路線で使用する大型バス115台と会場内で使う小型バス35台を調達。昨年10月13日の閉幕後は、大阪市内の路線バスや府南部での自動運転バスの実証実験で活用する予定だった。
 しかし、EVMJのバスが走行中に停止したり、ドアの開閉に不具合が生じたりするなどのトラブルが各地で発生。万博開催中も自動運転のバスが中央分離帯の縁石に接触するなどの事故が相次いだ。
 国土交通省は昨年9月、EVMJに全車両の点検を指示。全317台の3割強で不具合が見つかり、国交省は同10月、EVMJに立ち入り検査を実施した。EVMJは同11月、一部の車種計85台で、ハンドル操作時にブレーキホースが車体に接触してブレーキがききにくくなる恐れがあるとして、国交省にリコールを届け出た。
 国交省の立ち入り検査後、大阪メトロでは万博で使用したバス150台に加え、大阪市内で運行する小型のオンデマンドバス40台を含む計190台の使用を中止。運行の再開は未定だという。万博のレガシーとして南河内地域で予定されていた自動運転バスの実証実験(乗客あり)も6月に延期されている。
(万博から転用のEVバスは「ずっと放置されたまま」 運行めど立たず(毎日新聞) – Yahoo!ニュース)

《“中国製劣悪EVバス”で相次ぐ車両トラブル》販売するEVモーターズ・ジャパンの社長が引責辞任も「新ポスト」での会社残留に関係者から疑問の声 「返り咲きを狙っているのでは」
2/27(金) 7:15配信 マネーポストWEB

 週刊ポストで追及してきた、車両トラブル続出のEV(電気自動車)バス問題は新たな局面を迎えた。“国産EVバス”として中国からの輸入車を販売するEVモーターズ・ジャパン(以下EVMJ)が経営体制の刷新を発表。佐藤裕之社長(69)が引責辞任することになった。
 同社のリリースには理由がこう書かれている。
「この度発生いたしました一連の車両不具合と、お客様ならびに社会の皆さまに多大なるご心配をおかけした経営責任を重く受け止め、経営体制の刷新および代表取締役の交代を実施いたします」
 相次ぐトラブルを受けて国交省も昨年10月に同社へ立ち入り検査を実施していたが、佐藤氏の責任は大きいだろう。
 部品の安全認証が十分に取れていない状態で車両を販売し続けることを批判した社員に対し、佐藤氏が「売りたくないんだったら売らなくていいです」と言い放ったのは3年前のことだ。筆者は関係者から当時の音声データを入手している。
 そうした社員からの批判がありながら、佐藤氏は「九州の優秀起業家」と持ち上げられ、年間1600台の生産を目指す計画などを喧伝していた。
 今回の引責辞任にも関係者から疑問の声があがる。
「佐藤氏は退任すると言いながらも『技術顧問』として会社に残留します。技術的な不具合やトラブルを見過ごしてきた責任は感じていないのでしょう。いったん身を潜めて世論の風当たりが収まるのを待って社長への返り咲きを狙っているのではないかという見方もされています」
(《“中国製劣悪EVバス”で相次ぐ車両トラブル》販売するEVモーターズ・ジャパンの社長が引責辞任も「新ポスト」での会社残留に関係者から疑問の声 「返り咲きを狙っているのでは」(マネーポストWEB) – Yahoo!ニュース)

万博閉幕後に転用予定だったEVバス150台、安全性に疑義「塩漬け」に…路線運行めど立たず
1/21(水) 15:01配信 読売新聞オンライン

 大阪メトロは、万博に合わせ、EVMJから会場内で使う小型バス35台と、会場とJR桜島駅を結ぶシャトルバスなどに使う大型バス115台を購入。昨年10月13日の万博閉幕後は、大阪府南部での自動運転バスの実証実験や、大阪市内の路線バスに活用する予定だった。
 ところが、EVMJのバスの不具合が各地で発生。万博閉幕後の昨年10月20日、国土交通省が同社に道路運送車両法に基づく立ち入り検査を実施した。さらに同社が同11月、一部車種について、ハンドル操作時にブレーキホースが摩耗しブレーキがききにくくなる恐れがあるとして、国交省にリコールを届け出た。
 大阪メトロは、国交省の立ち入り検査後、同社から購入した車両の当面の使用中止を決定。万博用の150台に加え、昨年1月から導入した「オンデマンドバス」用の超小型バス40台の計190台が、塩漬けになっている。
 国交省によると、EVMJは中国メーカーが製造したバスを輸入し、国内向けに販売している。
 大阪メトロはEVMJから購入した理由を「導入時に国の補助金を活用する際、最も条件が合うのが同社だった」と説明。使用中止となっていることについては、担当者は「万博のレガシー(遺産)として、EVバスを路線バスでも安心して乗ってもらいたいが、運行の見通しが立たず申し訳ない」と話している。
(万博閉幕後に転用予定だったEVバス150台、安全性に疑義「塩漬け」に…路線運行めど立たず(読売新聞オンライン) – Yahoo!ニュース)

大阪・関西万博で使われた100台超のEVバスが野ざらしの“負の遺産”に 不具合だらけで元運転手は「やばいよ」
1/24(土) 9:00配信 AERA DIGITAL

 大阪城から徒歩10分ほどのところにある、大阪メトロ(大阪市高速電気軌道)の土地に、見覚えがあるバスがずらりと並んでいる。目視できる範囲で100台以上はあろうか。
 大阪・関西万博は、目的のひとつに「持続可能な開発目標(SDGs)達成への貢献」を掲げ、会場への送迎や会場内の移動にはEVバスの導入を進めた。大阪府の吉村洋文知事は、「未来のカーボンニュートラルな社会というのはこうなるというのを、万博会場で示したい」と力説し、大阪府にはEVバス導入を補助する制度もできた。
 これを受けて、大阪メトロと関連会社が導入したのが、EVモーターズ・ジャパン(EVMJ、本社・北九州市)が販売するEVバス190台だった。全長10.5メートルで近隣の駅などと会場とのシャトルバスとして使われたF8 series2-City Busが115台、会場内を移動する7メートル弱のF8 series4-Mini が35台、大阪市内を運行するバスが40台だ。
 だが、万博中からEVバスには不具合が相次いだ。
 昨年9月1日には大阪市内を走るEVバスが中央分離帯に乗り上げる事故が発生。大阪メトロによると、事故現場はゆるやかな右カーブで、運転手はハンドルを左に切ったが、車がコントロールできず、右に流れていったという。
 同じころ、万博会場でもEVバスの不具合が続き、各地のバス会社が導入したEVMJのEVバスでも同様のトラブルが起きていることがわかってきた。
「ブレーキがおかしくなりパニックになった」
 Aさんは、万博期間中に記者が会場で出会ったときから、EVバスの問題を指摘していた。
「急にブレーキのかかり具合がおかしくなる。『あれ、どうなったのか。やばいよ』と一瞬パニックになったが、その後はなんとか回復したので難を逃れました。私の同僚は、ブレーキが利かなくなったそうですが、乗客がいないときだったので急ブレーキを思いっきり踏んで助かったそうです。ハンドルを切っているつもりなのに曲がれないというトラブルや、アクセルを踏むと異音がするとか、ドアを閉じても半分ほど開いたままになるとか、数多くのトラブルを聞いています。万博会場の外を走っているとき、交差点で動けなくなってレッカー移動された例もあるそうです」
 Aさんはこんな話もする。
「万博期間中には、EVMJのエンジニアが来て、夜遅くまで修理にあたっていました。それでもすぐに不具合が発生するので、万博ではよく『回送』というサインボードを出してテスト運転をしていました。万博中に大事故がなかったのは不思議なくらいですよ」
 国土交通省は9月3日、EVMJに対してEVバスの総点検を指示している。その結果、国交省の中野洋昌大臣(当時)は10月17日、全国に317台ある同社のEVバスのうち3割を超える113台に不具合が見つかったと発表した。油圧をブレーキ装置に伝えるブレーキホースに損傷があるなど重大な不具合もあった。
「バスに乗って15年ほどになりますが、ブレーキホースの損傷なんて聞いたことがない。ブレーキホースが損傷したら、ブレーキがかからなくなって、大事故になる重大な不具合です」(Aさん)
(大阪・関西万博で使われた100台超のEVバスが野ざらしの“負の遺産”に 不具合だらけで元運転手は「やばいよ」(AERA DIGITAL) – Yahoo!ニュース)

万博EVバス約200台「墓場」化の懸念 大阪・森ノ宮に集結、不具合多発で現場から悲痛な声
1/22(木) 8:55配信 くるまのニュース

 筆者のところにはEVMJバスに日々乗務している乗務員や運行管理者から10件以上の悲痛な要望が以下のように届いています。
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「常務するのがとても苦痛。何かあったときにお客様の安全を守れない不安でいっぱいです。しかし、事業所にこの状況を伝えてもバス使用を止める気配が全くありません」
「フル乗車では8%程度の坂を上れず、止まって動かなくなったことが数回。お客様はその場でおろしてディーゼルのバスに乗り換えてもらいました。EVMJは対応すると言って結局何も対応してくれません。バス会社の方針なので使うしかないですが正直乗りたくありません。ブレーキが効かなくなることも何度かありました」
「坂道で暴走したりブレーキが効かなかったりそのほか恐ろしい不具合が多数あり、2年近く前から使用を止めるよう市交通局に何度も要望してきましたが、まったく聞き入れられません。『EVMJが全数検査をして問題ないと判断しているから、当市としてはこれからもEVMJバスを使い続ける』としか言わない。乗務員や乗客の安全を何だと思っているのでしょう?」
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 バスに限ったことではありませんが、公共交通の利用者は一般的にバスのメーカーやブランドを選んで乗ることはほぼ不可能です。
 多くの人命を預かるバスという乗り物の安全性についてEVMJバスを導入しているバス事業者は、EVMJの言葉だけをやみくもに信じるのではなく、「乗客や乗務員の安全を確保するには何が一番大切なことなのか?」を考えていただきたいと思います。
(万博EVバス約200台「墓場」化の懸念 大阪・森ノ宮に集結、不具合多発で現場から悲痛な声(くるまのニュース) – Yahoo!ニュース)

投稿日:2026年3月13日

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