
万博の森は閉じられたはずなのに、道修町では今もひそやかに息づいている。
住友館が描いた未知の森の余韻は、住友ファーマ本社の一階に移され、街の日常と静かに溶け合っている。ランタンは再び光を放つことなく置かれているが、その沈黙こそが想像力を刺激し、あのとき五感で辿った生命の道筋を呼び覚ます。
スタッフの衣装や装飾の断片は、祝祭の裏側にあった誠実な営みを伝え、ガラス越しに眺めるだけでも森への入口はひらかれる。忙しい街路を歩く途中、ふと立ち止まれば、未知は遠くにあるのではなく、足元から芽吹いていると気づかされる。万博を訪れた記憶を持つ者にも、行きそびれた者にも、この小さな森は新たな一歩を促し、再訪の理由をそっと差し出す。
万博「住友館」の思い出に触れて 住友ファーマ本社で展示物公開 衣装、装飾、ランタンも
12/20(土) 9:27配信 産経新聞大阪・関西万博で人気を集めた住友グループのパビリオン「住友館」の余韻を伝えようと、住友ファーマは大阪・道修(どしょう)町の大阪本社で、同パビリオンを彩った展示物の一部を公開している。来年3月末まで。
住友館は体験型パビリオンとして連日多くの来場者でにぎわった。「UNKNOWN FOREST(アンノウンフォレスト) 誰も知らない、いのちの物語」をテーマに、来場者が光や音で進行を導くランタンを手に森を巡り、五感を通じて生命の大切さを考える演出が特徴だった。
住友ファーマでは、本社ビル1階で、実際に使用されたスタッフの衣装や来場者が手にしたランタン、館内装飾の一部を展示。社屋の窓ガラス越しに外からも鑑賞できるようにし、万博の記憶に気軽に触れてもらえる工夫を凝らした。
担当者は「展示を通じて万博時の盛り上がりを感じてもらえたら」と話している。
(万博「住友館」の思い出に触れて 住友ファーマ本社で展示物公開 衣装、装飾、ランタンも – 産経ニュース)