• 万博閉幕から

閉幕から一夜明け撤去始まる

閉幕から一夜明け撤去始まる

夜が明けた夢洲には、奇妙な静けさが降りていた。
つい昨日まで音楽と歓声と光に包まれていたあの土地が、今朝は風の音だけを響かせている。
大阪・関西万博が閉幕して、わずか一夜。朝9時、会場にはもう作業員たちの影が現れ、ヘルメットの下の顔にまだ昨日の熱気を残したまま、鉄骨を外し、看板を降ろし、砂埃を舞い上げていた。

アメリカ館の星条旗は静かに巻き取られ、フランス館の香りは風の中へ溶けていく。
ポルトガル館では、冷たいガスパチョが余った分だけ分け合われ、「これもSDGsだ」と笑うスタッフの姿があったという。
かつて国と国が競い、語り、笑い合ったパビリオンの数々は、今や解体の順番を待つ舞台装置のように沈黙している。

三菱未来館では90人のスタッフが集い、互いに感謝状を手渡した。
「未来を見せる」ために立ち上がった建物が、いま「過去」となってゆく。
日本国際博覧会協会は各国に告げる──20日以降、解体を始め、来年4月13日までに敷地を返すようにと。
夢洲の大地は、2028年2月、また更地として大阪市に戻される予定だ。

チェコ館の屋上で、青年マレックはひとり立ち尽くす。
トラックの列と空っぽの広場を見下ろしながら、「昨日までとは別世界だ」と心の中で呟く。
彼の言葉を風が運び、遠く大屋根リングの下を通り抜ける。そこではまだ、誰かがミャクミャクのぬいぐるみを箱に詰めていた。

半年のあいだ、ここに通い続けた人々。
涙ぐむ者、笑う者、まだ現実を受け入れられぬ者。
だが確かに、ひとつの世界が終わったのだ。

太陽が高く昇る頃、うめきた広場では巨大な装飾シートが剥がされ、1時間ほどで元の灰色の階段が顔を出した。
あの煌めきも、熱狂も、手の中にはもうない。
それでも、夢洲を渡った風の向こうに、誰かの心の中で、まだ万博は続いている。

閉幕から一夜明け、万博会場でパビリオン撤去の準備始まる「昨日まであれだけ…寂しくなった」
2025/10/14 11:53 読売新聞

 大阪・関西万博の閉幕から一夜明けた14日、会場ではパビリオンの撤去作業に向けた準備が始まった。入場ゲート前には名残を惜しんで記念撮影に訪れた万博ファンの姿もあり、余韻はしばらく続きそうだ。
 日本国際博覧会協会(万博協会)は各国に対し、閉幕から1週間後の今月20日以降にパビリオンの解体工事を始め、遅くとも来年4月13日までに敷地や区画を返還するよう要請している。
 電気や水道など会場内のインフラ設備も順次撤去され、更地にして2028年2月末までに土地所有者の大阪市に返還される。
 14日午前9時頃、前日までの混雑から一転して閑散とした会場内では、アメリカ館やフランス館前でヘルメットをつけた作業員らが打ち合わせをし、鉄骨を組むなどしていた。大屋根リング下の物販コーナーでは、スタッフらが公式キャラクター「ミャクミャク」のぬいぐるみなどを片付けていた。
 三菱グループが出展したパビリオン「三菱未来館」では14日午前、ユニホーム姿のスタッフら約90人が参加して解散式が開かれ、一人ひとりに感謝状と記念品が手渡された。
(大阪万博:閉幕から一夜明け、万博会場でパビリオン撤去の準備始まる「昨日まであれだけ…寂しくなった」 : 読売新聞)

街や空港で、万博盛り上げた「ミャクミャク」撤去 閉幕で役目終え
10/15(水) 11:30配信 朝日新聞

 大阪・関西万博が13日に閉幕し、イベントを盛り上げるため設置された装飾物の撤去作業が、大阪府内で始まった。
 大阪府と大阪市は一体となり、2022年1月から機運醸成を本格化。バナーやミャクミャク像の設置、のぼりやポスターの配布をするなど、装飾物で街中を彩り、万博を盛り上げる「シティドレッシング事業」を推進した。閉幕に伴い、10月末までに順次撤去する。
 JR大阪駅前のうめきた広場では14日夜、高さ約7メートル、幅約13メートルの大階段の装飾が撤去された。公式キャラクター「ミャクミャク」や大屋根リングを描いたシートを作業員がはがし、1時間あまりで元の状態に戻した。
(街や空港で、万博盛り上げた「ミャクミャク」撤去 閉幕で役目終え(朝日新聞) – Yahoo!ニュース)

万博閉幕で会場内は閑散…片付け中のチェコ館スタッフ「別世界」「寂しい」
10/15(水) 11:43配信 読売新聞オンライン

 閉幕から一夜明けた大阪・関西万博の会場では14日、各パビリオンの撤去に向けて備品の片付け作業などが始まった。
 会場内は前日までとは一変して閑散としており、チェコ館文化プログラムコーディネーターのマレック・フラデツキーさん(27)は片付けの合間に同館屋上から会場内を見下ろし、「人がおらず、トラックが並ぶ会場は昨日までとは別世界。寂しい」と、しんみりとした様子で語った。
 ポルトガル館では、レストランで余った冷製スープ「ガスパチョ」などを他のパビリオンのスタッフらに配布。担当者は「閉幕しても、万博のSDGs(持続可能な開発目標)の精神を貫きたかった」と話した。
 日本国際博覧会協会(万博協会)は、今月20日以降にパビリオン解体工事を開始し、遅くとも来年4月13日までに敷地や区画を返還するよう各国に要請しており、2028年2月末までに土地所有者の大阪市に更地の状態で返還される予定。
(万博閉幕で会場内は閑散…片付け中のチェコ館スタッフ「別世界」「寂しい」(読売新聞オンライン) – Yahoo!ニュース)

万博パビリオン撤収作業始まる 「終わった」目潤ませる元スタッフも
10/14(火) 12:08配信 毎日新聞

 会場内の海外パビリオンでは、午前9時ごろから、スタッフやヘルメット姿の作業員らが集まり、建物から展示物などを搬出したり、特設ステージを解体したりした。
 会場内の免税センターで働いていた栃木県大田原市の斎藤奈都子さん(55)は「今朝、誰もいない万博会場を見て、終わったんだなと実感した」と目を潤ませた。万博で働くため、半年前から大阪市内にマンションを借りて会場に通ってきた。14日が最後の出勤日だといい「笑顔があふれる特別な場所だった。万博に携われて本当に良かった」と話した。
 日本国際博覧会協会(万博協会)のスタッフとして819日間、運営に携わってきた男性(39)は「『万博ロス』と言ってくれる人もいるが、私は無事に終えられてホッとしています」と振り返った。
(万博パビリオン撤収作業始まる 「終わった」目潤ませる元スタッフも(毎日新聞) – Yahoo!ニュース)

万博会場で早くも後片付け始まる 連日人気だった大阪ヘルスケアパビリオンでは出展企業の担当者らが展示物を撤去【万博閉幕】
10/14(火) 12:15配信 MBSニュース

 184日間の会期を終え閉幕した大阪・関西万博では、10月14日、早くも後片付けが始まっています。
 (記者リポート)「こちら大阪ヘルスケアパビリオンでは、早くも展示物の撤去作業が始まっています」
 パネルの解体や展示物の梱包作業が進められています。
 13日、大盛況のうちに幕を閉じた大阪・関西万博。一夜明け、大阪ヘルスケアパビリオンでは、出展していた企業の担当者ら約200人が、展示品の運び出しや掃除にあたりました。
 (大阪パビリオン 西野広朗広報・催事係長)「まだ閉まって12時間くらいしかたっていないけど、こんな状況になって寂しい思いと、片づけるところまできちんとやり遂げたいなという思いもあります」
(万博会場で早くも後片付け始まる 連日人気だった大阪ヘルスケアパビリオンでは出展企業の担当者らが展示物を撤去【万博閉幕】(MBSニュース) – Yahoo!ニュース)

大阪・関西万博 会場で後片付け始まる 一般入場者は2500万人超
10/14(火) 12:22配信 テレビ朝日系(ANN)

大阪・関西万博は13日、半年間の会期を終えて閉幕しました。会場内の各パビリオンで後片付けが進んでいます。
 14日朝から各パビリオンやトイレなど会場内の施設で展示品の運び出しや片付けが始まっています。
 万博の一般入場者は、2500万人を超え、運営費は230億から280億円の黒字となる見通しです。
 万博協会は、パビリオンの解体工事を20日以降に始めるよう各国に求め、参加国が自ら建設した「タイプA」のパビリオンは、解体後、来年4月13日までに敷地を協会側に返却するよう要請しています。
(大阪・関西万博 会場で後片付け始まる 一般入場者は2500万人超(テレビ朝日系(ANN)) – Yahoo!ニュース)

【万博ドキュメント】閉幕時間を過ぎても会場には名残惜しむ多くの来場者 寂しさはスタッフも同様に…「胸いっぱいで言葉が出てこない」 一夜明けた会場では撤去作業が急ピッチで進む
10/14(火) 18:35配信 MBSニュース

 人気のオランダパビリオンでも片づけは始まっていました。静かに作業の様子を見つめるオランダパビリオンのプロジェクトマネージャー・ナルディさん。閉幕を迎えたいま、どのような思いなのでしょうか?
 (ナルディ・ヨンカースさん)「今でも感情がよみがえってきます。私たちはうれしくて誇らしくて本当によくやったと思っています。たくさんの来場者に恵まれて、本当にすばらしい時間でした。そして同時に終わってしまったことがとても寂しいです」
 各パビリオンで着々と片づけが進む中、まだ13日閉幕日の“余韻”が残っているのでしょうか。こんな人たちも…
 (ネパール館 スタッフ)「万博はまだ終わってないよ!」
 名残を惜しみつつ、各国パビリオンの移設や解体作業は進められます。
(【万博ドキュメント】閉幕時間を過ぎても会場には名残惜しむ多くの来場者 寂しさはスタッフも同様に…「胸いっぱいで言葉が出てこない」 一夜明けた会場では撤去作業が急ピッチで進む(MBSニュース) – Yahoo!ニュース)

さらば万博、変わる街並み…大阪の街彩ったバナーフラッグやモニュメント、今月末に撤去
10/16(木) 8:10配信 産経新聞

大阪・関西万博の閉幕を受け、歓迎ムードを創出する目的で各地に設置されていたバナーフラッグやモニュメントなどの撤去が本格化している。大阪府・大阪市万博推進局によると、今月末には大半が撤去される見込みで、万博一色だった街並みは一変しそうだ。
万博の機運醸成を目指し、万博推進局は開幕前の令和5年秋から「シティードレッシング」と呼ばれる取り組みを積極展開。大阪市内の主要エリアの沿道500カ所以上にイメージカラーの「赤」「青」「白」で彩ったバナーフラッグを掲出したり、公式キャラクター「ミャクミャク」がさまざまなポーズを取る階段広告を駅に設置したりするなどしてきた。JR大阪駅南側のサウスゲートビルディングの外壁に掲げられた巨大なデザインラッピングもその一つだ。
万博推進局によると、装飾物の撤去作業は万博が閉幕した13日夜から始まった。15日時点で撤去作業は順調に進み、10月末には完了する見込みだ。JR大阪駅近くの「うめきた広場」にある大階段の装飾や、関西国際空港に設置されていたバナーもすでに撤去されたという。
(さらば万博、変わる街並み…大阪の街彩ったバナーフラッグやモニュメント、今月末に撤去(産経新聞) – Yahoo!ニュース)

投稿日:2025年10月16日

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