• 万博閉幕から

来場者急増で通信対策を強化

来場者急増で通信対策を強化

夢洲の地に立つと、まず感じるのは「電波のざわめき」である。人の熱気と光の洪水の中で、見えない信号が空を飛び交い、QRコードを読み取り、決済を通し、未来の通信社会の縮図を形づくっている。大阪・関西万博もいよいよ閉幕を控えた十月、各社の技術者たちは、最後の“見えない戦い”に挑んでいた。

KDDIは人の流れを読む。まるで都市の呼吸を測るように位置情報を分析し、通信の滞る場所へ「ミリ波」の中継器を据える。わずか一日で設置される小さな装置が、無数のスマートフォンの呼吸を助け、会場の混雑をひそやかに支える。通信量は八倍へと膨らみ、見えぬ糸が幾重にも張り巡らされていく。

一方で、NTTドコモは光の工芸を持ち込んだ。「ガラスアンテナ」――透明な通信の器官である。風景を壊さず、空気のように電波を行き渡らせる。ソフトバンクは方向を調整し、楽天モバイルはプログラムを書き換え、機械の頭脳を鍛え上げた。

スマートフォンはもはや旅の羅針盤であり、チケットであり、財布であり、記憶の倉庫だ。来場者が未来を撮り、支払い、道を探す――そのすべてを支えるのは、この見えない電波の海。人と技術が交錯するこの万博の終盤、私はふと、通信塔の足もとに小さな祈りを感じた。未来を繋ぐということは、きっとこういう静かな努力のことなのだ。

閉幕迫り来場者急増の万博、携帯各社が電波強化に尽力 KDDIは5Gミリ波中継器を設置
10/3(金) 18:54配信 産経新聞

大阪市此花区の人工島、夢洲(ゆめしま)で開催されている大阪・関西万博で、今月13日に閉幕が迫り来場者が急増する中、携帯各社は混雑で不安定化しやすい電波状況の強化に取り組んでいる。入場時のQRコード表示、決済手段のキャッシュレス限定など、スマートフォンが手放させない会場で、混み合う会期最終盤でも快適な通信環境を目指している。
4月13日の開幕直後は10万人を下回ることが多かった来場者数も9月中旬以降は連日20万人超えを記録し、会場は多くの人であふれかえっている。
終盤の混雑に備え、KDDIは8月29日、会場内で来場者が密集する3カ所に、第5世代(5G)移動通信システムでも高速大容量通信が可能な「ミリ波」の中継器を設けた。位置情報データによる人流分析ツールで人が集中して通信が不安定になりやすい場所を割り出し、中継器を効果的に配置した。
ミリ波による通信量は設置前の約8倍に増え、他の周波数帯に接続が分散され、通信環境の改善が図られている。中継器は基地局に比べ小型、軽量のため設置は1日でできる。担当者は「今度も混雑が予想されるイベントなどでの展開を検討している」と話した。
各社とも移動式基地局を設置するほか、それぞれの対策を講じている。
NTTドコモは「NTTパビリオン」内に、AGCと共同開発した「ガラスアンテナ」を導入。景観を損ねずに、屋外の通信エリアを拡大した。
ソフトバンクは5月の大型連休前には東西の入場ゲートや会場内にアンテナを増設し、アンテナ方位の調整などで接続先を分散させて混雑に対応。楽天モバイルは設備増強だけに頼らず、ソフトウェア更新で接続数の増加を図っている。
(閉幕迫り来場者急増の万博、携帯各社が電波強化に尽力 KDDIは5Gミリ波中継器を設置(産経新聞) – Yahoo!ニュース)

KDDIが大阪・関西万博で5Gミリ波中継器を設置、入場者急増に対応
2025年10月03日 KDDI-KYOCERA

KDDI CORPORATIONは大阪・関西万博の通称で知られる2025年日本国際博覧会の会場で5Gミリ波中継器を設置したと発表した。
5Gミリ波中継器では28GHz帯による第5世代移動通信システム(5G)のエリアを効率的に拡張できるという。
なお、28GHz帯は厳密には準ミリ波の周波数であるが、携帯通信分野では一般にミリ波(mmWave)として扱われる。
5Gミリ波中継器は小型かつ軽量で光回線の敷設が不要であるため、通常の基地局工事と比較して全体工期を8割以上も削減できるほか、設置に要する日数は1日と設営期間の大幅な短縮を実現する。
(blog of mobile » Blog Archive » KDDIが大阪・関西万博で5Gミリ波中継器を設置、入場者急増に対応)

KDDI、万博の通信対策を強化 来場者急増受け5Gミリ波中継器を設置
2025年10月03日 16時12分 [ITmedia]

 KDDIは10月3日、閉幕を控えた大阪・関西万博での来場者増加に対応するため、会場内の混雑する場所に5Gミリ波中継器を設置したと発表した。8月29日にEXPOアリーナMatsuri、ウォータープラザ、ポップアップステージ西の3カ所に計3台を配置したという。
 設置にあたって同社は、GPS位置情報を活用した人流分析ツール「KDDI Location Analyzer」で来場者の滞留傾向を分析。通信需要が集中する地点を特定し、ピンポイントで中継器を展開した。EXPOアリーナでは、ダウンロード1.5Gbps超/アップロード400Mbps超の通信環境を整備。5Gミリ波を利用した通信量は設置前と比べて最大8倍に増加したという。一部のトラフィックがミリ波に分散されたことで、会場全体の通信品質の向上につながったとしている。
 KDDIは「今後も会場特性や利用動向にあわせて、5Gミリ波やDB-MMUなどの技術を適切に組み合わせ、イベント時の通信品質向上に取り組む」としている。
(KDDI、万博の通信対策を強化 来場者急増受け5Gミリ波中継器を設置 – ITmedia NEWS)

投稿日:2025年10月9日

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