ARCHIVE NOTE

万博8月29日(139日目)のまとめ

↻ REVISITED 2026

万博8月29日(139日目)のまとめ

8月29日、夢洲の地表は真夏の白い光に丸洗いされていた。人流は朝から濃く、万博協会の速報では一般来場が約15万4000人、関係者を含めると約17万2000人。会期は残り50日を切り、累計は一般で約1636万人、総来場で約1882万人に達しているという。数字の列は乾いたまま、しかし会場の湿度は人いきれで満ちていた。*1

空気は容赦ない。大阪市内の最高気温は35.3℃、今季38回目の猛暑日。とはいえ会場を歩くと、手元の温度計が示す32.9℃の体感に、適度な風が乗って少しだけ楽になる。そんな炎天下で妙に実用的だったのが、競輪・オートレースの団体が出した「ふとももEXPO~FUTOMOMOoooooooo~」。看板だけで勝っているが、実際の勝ち筋は「チャリ氷」。自転車を漕ぐと氷が削れ、汗が冷たさに変換される。人力発電の夏版、しかも音が涼しい。暑さ対策というより、暑さの手懐け方だ。*2

会場の別の隅では、熱と正反対の温度が立ちのぼる。国連パビリオンの「ACTION for Peace」では、高校生や大学生ら約30人がゴーグルを装着し、ウクライナやガザの現地映像を3Dでたどった。監禁が行われたという小学校の壁の落書き、空爆で崩れたアパートの内部、そして巨大輸送機アントノフ225の残骸。映像は現場を“説明”しない。学生の目の前に、ただ“在る”。視覚の臨場感は、喧騒のただ中に置かれた静かな祈りになっていた。*3

同じ日に、神戸の在神戸ウクライナ名誉領事館では、関西に避難している人たちへ万博の入場チケットが贈られている。10月にはパビリオンを回っての意見交換セミナーも予定だという。会場で見た「現実」に、会場の外で用意された「機会」がそっと手を伸ばす。*4

日が傾くと、夢洲の音風景は切り替わる。19:00、EXPOアリーナ「Matsuri」ではポーランド館が仕掛ける『繊細な弦(CZULE STRUNY)』。ショパンの旋律に言葉が宿り、歌手ナタリア・ククルスカと国立フィルハーモニー管弦楽団ら約100名が多層の編曲で響きを編み直す。入場はフリー(万博の入場券は必要)、整理券も予約も不要という懐の広さまで楽譜に書かれている。日中の熱と雑踏が、夜には歌詞付きのショパンに整流される。*5 このコンサートは「ショパン・ウィーク」(8月28日~9月3日)の一環で、自筆原稿の展示なども用意されている。10月にはワルシャワで第19回ショパン国際ピアノコンクールが開幕する予定で、その予告編としての賑わいだ。*6

視点をもう少し引くと、この日は空からも万博が覗かれていた。会場内「EXPO Vertiport」発着で、8月29日限定のヘリコプター遊覧。未来の“空飛ぶクルマ”の商用運航を想定した全景体験を、現実のヘリで先取りする企画で、所要は約20分(遊覧5分ほど)。料金は1人利用で16万6000円、2人で8万6000円、3人で5万9000円、4人で4万6000円。空の値段は、風景より高度に比例する。*7

地上の来場者の満足度も、別の角度から測られている。日本政策投資銀行の調査では、万博を訪れた訪日客の81.7%が「満足」と回答。「どちらでもない」15.8%、「不満」2.5%。回答者の約4割は初来日の旅行者で、欧州ではその割合が78.9%に達したという。主目的が万博という人も約4割。会場の賑わいは、観光の動機の重心も少し動かしている。*8

夜のミナミでは、海外パビリオンのスタッフが会場での出来事や大阪での暮らしを語り合う催しも開かれた。パキスタン館のマネージャーは、会場外ではうな重や焼肉を楽しみ、子どもたちから贈られた折り紙が心に残ると話す。ヨルダン館のスタッフは日本語スピーチコンテストをきっかけに万博に参加し、閉幕後は日本に残ってロボット研究の大学院へ進むという。万博は職場であり、寄り道であり、次の扉でもある。*9

こうして139日目の夢洲は、氷を削るふくらはぎ、戦火を直視する眼差し、ヘリで見下ろす視線、そしてショパンに言葉をのせる声とで、同じ一日を別々の温度で測っていた。どの温度計も針は違い、しかし同じ未来を指している。

ORIGINAL 2025 2025年に掲載した当時の記事を読む

万博8月29日(139日目)のまとめ

8月29日、夢洲の空はからりと澄みわたり、真夏の陽射しが万博会場の隅々にまで降り注いでいた。速報値によれば、この日会場に足を運んだ人々は一般来場者だけで約15万4000人、関係者を含めると17万2000人という壮観の数にのぼる。人波はひとつの大河のようにうねり、未来都市さながらの会場を埋め尽くしていた。

熱気はもちろん容赦なく、最高気温は35.3℃を記録し、今季38度目の猛暑日。だが歩けば意外に心地よく、32.9℃の風が頬をかすめるたび、夢洲の大地が不思議と散歩日和の装いをまとっているのを感じる。そんな炎天を少しだけ愉快に和らげてくれるのが、競輪団体が主催する「ふとももEXPO」。中でもひときわ人気を集めていたのは「チャリ氷」。自転車を漕ぐたびに氷が削られ、ガリガリと涼の音が響くさまは、まるで子ども時代の秘密兵器を再発明したような風景だった。

一方で、国連パビリオンでは「ACTION for Peace」と題されたVR体験が静かに人々を迎えていた。ゴーグルをかけた学生たちは、ウクライナやガザの現地映像を3Dで追体験し、遠い戦火を自らの眼前に感じ取っていた。その空気の中には、祭りの喧騒とは別の、深い祈りのようなものが漂っていた。

そして夜。19:00からEXPOアリーナ「Matsuri」に響くのは、ショパンの旋律を「歌詞付き」で編み直した特別コンサート『繊細な弦』。ポーランドから来た百人のアーティストが放つ調べは、日中の熱気と喧騒を鎮め、万博の夜を豊饒な夢で包み込むに違いない。

【万博】“8月最後の平日”29日(金)一般来場者は約15.4万人 30日(土)は「大変混雑」予想
8/30(土) 9:54配信 読売テレビ

 万博協会が30日(土)に発表した、8月29日(金)の大阪・関西万博の一般来場者数は速報値ベースで約15万4000人、パビリオンなどの関係者を含めた総来場者数は約17万2000人でした。
 10月13日の閉幕まで残り50日を切りましたが、一般来場者数の累計は速報値ベースで約1636万人、関係者を含めた総来場者数の累計は約1882万人です。
(【万博】“8月最後の平日”29日(金)一般来場者は約15.4万人 30日(土)は「大変混雑」予想(読売テレビ) – Yahoo!ニュース)

【万博】自転車で削る「チャリ氷」 削った氷はオリジナル氷のうに 競輪とオートレース主催のイベント
2025年8月29日 18:32 読売テレビ

 見渡す限りの青空の下、万博会場内を歩いて移動してきました。まさに散歩日和となっています。歩くのも気持ちいいそんな陽気です。現在、手元の温度計では、32.9℃と、風もあってやや涼しくなりました。
 大阪市内のきょうの最高気温は35.3℃と、今シーズン38回目の猛暑日となりました。そんな暑さを和らげてくれるイベントがあります。
 競輪を広める活動をしている団体が主催する、きょうまでのイベント(ふとももEXPO~FUTOMOMOoooooooo~)です。中でも人気のブースが「チャリ氷」です。名前のインパクトがすごいですよね。何かと言いますと、自転車で氷を削ってひんやり気分を味わえるんです。
(【万博】自転車で削る「チャリ氷」 削った氷はオリジナル氷のうに 競輪とオートレース主催のイベント(2025年8月29日掲載)|日テレNEWS NNN)

ウクライナから避難の人たちに万博チケットを贈呈 神戸
08月29日 17時47分 NHK

ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナから関西地方に避難してきた人たちに、文化交流の機会を提供しようと、大阪・関西万博の入場チケットが贈られました。
神戸市中央区の「在神戸ウクライナ名誉領事館」で29日、贈呈式が開かれ、関西みらい銀行の役員や関西地方に避難しているウクライナ人などおよそ15人が参加しました。
10月には 今回チケットをもらったウクライナ人を対象に 各パビリオンを回り、意見交換するセミナーを実施する予定だということです。
(ウクライナから避難の人たちに万博チケットを贈呈 神戸|NHK 兵庫県のニュース)

ショパン・ウィークがすごい! ポーランドパビリオンが贈る特別コンサート“ナタリア・ククルスカ&国立フィルハーモニー管弦楽団による『Tender Strings』”

2025年8月29日(金)19:00から、EXPOアリーナ「Matsuri」で開催されるのは、『繊細な弦』(CZULE STRUNY)――ショパンの作品を「歌詞付き」で演奏する特別なコンサートです!
これをポーランドパビリオンがプロデュース、入場はなんとフリー(ただし大阪・関西万博の入場券が必要)。整理券も事前の予約もいらないんです。
歌手のナタリア・ククルスカと国立フィルハーモニー管弦楽団、国内外で活躍するトップアーティストたち約100名が一堂に会し、多層的な編曲でショパンの名曲を新たな響きとして届けます。
(ショパン・ウィークがすごい! ポーランドパビリオンが贈る特別コンサート“ナタリア・ククルスカ&国立フィルハーモニー管弦楽団による『Tender Strings』” | EXPO 2025 大阪・関西万博公式Webサイト)

奪われた日常、ウクライナの現実をVRで体験 万博・国連パビリオン
8/30(土) 6:00配信 朝日新聞

 大阪・関西万博の国連パビリオンで8月29日、ウクライナや中東ガザなどの紛争地で撮影された映像をVR(仮想現実)などで体験するイベントが開かれた。
 「ACTION for Peace(平和への行動)」と題して、高校、大学生ら約30人が参加。東京大学の渡邉英徳教授の研究室が、現地からの映像を3D化したものを、学生らがゴーグルを使って視聴。まるでその場にいるように体験した。
 ウクライナの映像は、児童や市民らがロシア側に監禁されたという小学校で撮影され、壁には子どもが書いた落書きが残されていた。空爆で破壊されたアパートの内部や、ロシアによって破壊された世界最大の輸送機アントノフ225の残骸などの映像もあった。
(奪われた日常、ウクライナの現実をVRで体験 万博・国連パビリオン(朝日新聞) – Yahoo!ニュース)

大阪・関西万博 ポーランド館が「ショパン・ウィーク」 8月28日から9月3日まで コンサートやショパン自筆原稿の展示など 10月にはショパンコンクールが開催
美術展ナビ

大阪・関西万博のポーランド館では、8月28日(木)から9月3日(水)までを「ショパン・ウィーク」とし、ポーランドの誇りである作曲家、フリデリク・ショパン(1810∼1849)の作品やその業績を紹介するスペシャルイベントの数々を開催します。10月にはポーランドの首都、ワルシャワで注目の「第19回ショパン国際ピアノコンクール」も開幕。そのプロモーションも兼ねています。
東京都目黒区のポーランド大使館で8月27日、ポーランド国立ショパン研究所のアルトゥル・シュクレネル所長らが記者会見して「ショパン・ウィーク」のメニューを説明しました。
(大阪・関西万博 ポーランド館が「ショパン・ウィーク」 8月28日から9月3日まで コンサートやショパン自筆原稿の展示など 10月にはショパンコンクールが開催 – 美術展ナビ)

8/29限定企画、ヘリコプターによる万博会場周辺の遊覧飛行を実施
2025年8月25日 08:54 ドローンジャーナル編集部

 2025年日本国際博覧会協会は、大阪・関西万博会場内の「EXPO Vertiport」を発着するヘリコプター遊覧を、2025年8月29日の一日限定で実施する。
 空飛ぶクルマの商用飛行が実現する未来社会を想定した「万博の全景を見渡す空の旅」をヘリコプターで体験できる。所要時間は約20分で、遊覧飛行は5分ほど。貸切での利用となる。なお、ヘリコプター遊覧には事前の旅行商品の購入が必要。
所要時間 約20分(うち遊覧飛行は約5分)
料金(1人分)入場チケット付き
・1人利用:16万6,000円
・2人利用:8万6,000円
・3人利用:5万9,000円
・4人利用:4万6,000円
(8/29限定企画、ヘリコプターによる万博会場周辺の遊覧飛行を実施 – ドローンジャーナル)

大阪万博、訪日外国人の8割が「満足」 政投銀調べ
2025年8月29日 20:15 日本経済新聞

日本政策投資銀行関西支店が29日発表した調査によると、大阪・関西万博に訪れたインバウンド(訪日外国人)に聞き取りを行ったところ、81.7%が「満足した」と回答した。「どちらでもない」との回答は15.8%で、「不満」だと回答したのは全体の2.5%にとどまった。
調査は6月3〜16日までの平日10日間、万博会場までのシャトルバスが運行されているJR桜島駅を利用した外国人341人を対象にタブレットを用いたアンケート調査を実施した。調査ではすでに会場を訪れた人や訪問を予定する人の回答を集計。満足度については万博を実際に訪れた外国人を対象にたずね、120人から回答を得た。
満足度のほか、訪日回数や訪日目的に関する調査の結果も公表した。訪日回数に関する質問では約4割が初めて日本を訪れたと回答し、初めて訪れた割合が最も高かった地域は欧州(78.9%)だった。訪日の主たる目的については、約4割が大阪万博だと回答。別の観光やレジャーを主目的に万博を訪れる人の割合も約4割と高かった。
(大阪万博、訪日外国人の8割が「満足」 政投銀調べ – 日本経済新聞)

パソナとエステー、香りで包括提携 万博出展での協業がきっかけに
2025年8月29日 18時25分

 パソナグループとエステーは29日、香りをつかった快適な空間づくりなどで包括的な業務提携を進めると発表した。パソナが手がける宿泊施設やオフィス、保育施設といったさまざまな空間づくりに、エステーの香りの技術を使っていく。
 パソナは大阪・関西万博のパビリオン展示のため、エステーに「土のかおり」づくりを依頼。これがきっかけとなり、幅広い分野での協業に話が広がったという。
 この日、万博会場内で記者会見したパソナの若本博隆会長は「両者でできることのアイデアは次々に出てきていて、無限の可能性を感じている」と説明。エステーの上月洋社長も「淡路島での取り組みをきっかけに、新しい市場をつくっていきたい」などと話した。
(パソナとエステー、香りで包括提携 万博出展での協業がきっかけに [大阪・関西万博2025]:朝日新聞)

万博の海外パビリオンスタッフが語る催し 大阪
08月30日 09時28分 NHK

大阪・関西万博の海外パビリオンで働くスタッフが万博会場でのエピソードや大阪での生活について紹介する催しが29日夜、大阪・ミナミで開かれました。
この催しは、万博を盛り上げようと活動している団体が大阪・ミナミのデパートに常設している交流拠点「EXPO酒場」で開き、海外パビリオンで働くスタッフ4人が参加しました。
このうちパキスタンパビリオンのマネージャーのムガル・アルマンさんは「いつもパビリオンで忙しいですが、会場の外では食の街・大阪でうな重や焼き肉を楽しんでいます。たくさんのすてきな出会いがあり、訪れた子どもたちから折り紙など心のこもった贈り物をもらうことが思い出に残ります」と話していました。
また、ヨルダンパビリオンのスタッフのアンマール・アルマシャイエクさんは母国で開かれた日本語の弁論大会に参加したのをきっかけに万博のスタッフに誘われたということで「ほかの国のスタッフや来場者と仲良くなり、ごはんに行ったりそれぞれの自宅を訪れもてなし合ったりしています。万博の閉幕後は日本に残り大学院でロボットの研究をします」と話していました。
(万博の海外パビリオンスタッフが語る催し 大阪|NHK 関西のニュース)