
万博の輝きに包まれた夢洲の午後、その片隅でひっそりと「しおり」が姿を消した。6月13日、市立中学校が実施した校外学習――それはきっと、生徒たちにとってかけがえのない一日になるはずだった。未来の技術に触れ、異国の文化に目を丸くし、そうした青春のひとこまの背後で、引率の教師が手にしていたのは、全校生徒199名分の氏名と学年・学級が記された「しおり」だった。
そして午後1時30分、いつの間にかそれは忽然と姿を消した。名前は、情報であり、物語でもある。それぞれの名前には、家で作ってきたお弁当の匂いや、友達に言えなかったひと言が宿っている。教師は必死で探した。忘れ物センターに駆け込み、校長に報告し、午後4時まで夢洲の風に吹かれながら、地面を見つめ続けた。
だが、しおりはまだ帰ってこない。万博の喧騒のなかで、誰かの手に渡ったのか、あるいは風に攫われたのか。未来を語る場所で、ささやかな名簿が、そっと問いを投げかけている――あなたは、名前の重みを知っていますか、と。
【速報】大阪・関西万博で“校外学習”のしおりを引率の教員が落とす・・・ しおりには全校生徒199名分の氏名、学年及び学級の情報が ポケットから落としたか? 大阪市立中学校
6/16(月) 16:54配信 ABCニュース大阪市は16日、13日に大阪・関西万博で市立中学校が実施した校外学習の際、引率していた教師が”校外学習のしおり”を紛失していたと発表しました。
しおりには全校生徒199名分の氏名、学年及び学級の情報が掲載されていたということです。
大阪市によりますと、13日、市立の中学校が全学年で大阪・関西万博で校外学習を実施した際、午後1時30分すぎに引率していた教員が所持していた“しおり”を紛失したことに気付いたということです。
教員はすぐ校長に報告し、忘れ物センターへ届け出た上、午後4時ごろまで捜索したものの発見にいたりませんでした。
(【速報】大阪・関西万博で“校外学習”のしおりを引率の教員が落とす・・・ しおりには全校生徒199名分の氏名、学年及び学級の情報が ポケットから落としたか? 大阪市立中学校(ABCニュース) – Yahoo!ニュース)