書店の棚に静かに佇む一冊の雑誌。その巻頭には、大阪・関西万博の会場案内地図が折り込まれていた。色とりどりの未来図が紙面に広がるその地図は、まるで夢洲の秘密を封じた魔法の地図のようでもあった。
ところがある日、ふとそのページだけが忽然と姿を消した。京都市右京区、齢81の無職の男が、紙片の誘惑に抗えず手を伸ばしたのではないかと、警察は睨んだ。男は「破ってなどいない」と静かに首を振るが、現場には破かれた雑誌と、ほんのひとかけらの未練が残っていた。

万博の地図は、ただの印刷物ではない。人の夢を記し、人を未来へいざなう道しるべだ。それゆえに、この一件は奇妙に胸をざわつかせる。誰が、なぜ、その地図を欲したのか。まるで万博の熱に取り憑かれたかのような紙片の逃避行が、初夏の京都に小さな波紋を広げた。

雑誌の巻頭ページあった万博会場地図を破って万引き容疑、81歳の男を逮捕
6/18(水) 14:19配信　産経新聞

書店で販売されていた雑誌の巻頭ページにあった大阪・関西万博の会場案内地図を破って盗んだとして、京都府警右京署は18日、窃盗の疑いで京都市右京区西院西田町の無職の男（81）を逮捕した。「雑誌を見ていたのは覚えているが、破ったりはしていない」と供述し、容疑を否認している。
逮捕容疑は5月17日午前10時10分ごろ、京都市右京区の書店で、雑誌の巻頭ページに付いていた万博会場の案内地図を破り取って盗んだとしている。
同署によると、書店から近隣の交番に「雑誌のページが破り取られている」と相談があり、捜査していた。
(雑誌の巻頭ページあった万博会場地図を破って万引き容疑、81歳の男を逮捕（産経新聞） – Yahoo!ニュース)

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