- 万博閉幕から
万博の熱気をのせたシャトルバスが滑るように駆け抜けるその裏側で、静かに、しかし奇妙な一幕が起きていた。
5月23日、会場へと急ぐ一台のタクシーが、阪神高速・淀川左岸線の暫定道路をまるで夢遊病者のごとく逆走したのである。中央分離帯が欠けたその隙間から、現実の綻びがにじみ出たかのように、タクシーは逆流する運命を選んだ。
正面から現れたバスが、間一髪で気づいて停車し、事故は避けられた。とはいえ、発表は10日以上後。大阪市は「公表の基準」に則った対応だというが、逆走したのは車だけではない。情報の流れもまた、少しずれて、誰にも気づかれずに進んでいたのだ。万博という祝祭の影で、都市は時に摩訶不思議な静寂を孕む。
万博客乗せ2キロ、タクシーが逆走…バスと鉢合わせも気づいて減速・停車し事故起きず
6/6(金) 12:01配信 読売新聞オンライン大阪市は5日、大阪・関西万博の会場と市中心部を結ぶシャトルバスなどが走行する阪神高速・淀川左岸線2期区間で、5月下旬にタクシーが約2キロ逆走する事案が発生したと発表した。けが人はなかった。
発表では、5月23日午前11時55分頃、万博会場に向かう客を乗せたタクシーが2期区間に整備された暫定道路を走行した際、中央分離帯が欠けている部分から対向車線に入り、そのまま逆走。バスと鉢合わせたが、バスの運転手が早めに気づいて減速・停車したため、事故は起きなかった。
(万博客乗せ2キロ、タクシーが逆走…バスと鉢合わせも気づいて減速・停車し事故起きず（読売新聞オンライン） – Yahoo!ニュース)
万博会場へのアクセスルートでタクシーが「約２ｋｍ逆走」 バスと鉢合わせあわや事故…大阪市は「１０日以上非公表」
6/6(金) 17:55配信 MBSニュース大阪・関西万博の会場へ向かう専用道路で、タクシーが約２キロも逆走した事案が発生。しかし、大阪市が公表したのは１０日以上後のことでした。
阪神高速の『淀川左岸線（２期）』は、海老江ＪＣＴから豊崎ＩＣ（仮称）までを結ぶ高速道路で、２０３２年をメドに完成する予定です。万博会場へのアクセス向上のため、万博開催期間中は暫定的に供用されていて、大阪市が許可した事業者のタクシーやバスが通行できます。
この淀川左岸線で５月２３日、万博会場に向かうタクシーが、中央分離帯がなく三角コーンが置かれていた部分から対向車線に入り、約２キロを逆走。正面から来たバスと鉢合わせたということです。
バスの運転手が逆走に気づいて減速、停車したため、けが人はいませんでした。
(万博会場へのアクセスルートでタクシーが「約２ｋｍ逆走」 バスと鉢合わせあわや事故…大阪市は「１０日以上非公表」（MBSニュース） – Yahoo!ニュース)
【タクシー逆走】約2週間公表しなかった『タイムラグのわけ』 大阪市長は万博関連で”公開基準”上げる方針「万博の事だから隠そうとしている、と思われないように」
6/6(金) 17:51配信 MBSニュース新大阪・梅田から万博会場につながるアクセスルートで、タクシーが約2キロ逆走していたトラブルを、発生の約2週間後に公表した大阪市。発表までの”タイムラグ”はなぜ発生し、なぜ公開に至ったのか…。横山英幸市長と担当部局に聞きました。
時間差が生じた理由について、きょう大阪市の横山市長に話を聞きました。
「なぜ昨日まで公表されなかったのでしょうか」
――逆走は5月23日ですが、なぜ昨日まで公表されなかったのでしょうか。
「一般に供用されていない特定のバスやタクシーが使う路線で、当然、逆走事案が起きたときに関係者には告知しているが、『公表の基準』はどこにあるのか、という問題になる。」
「広く、一般の多くの人が気を付けないといけない事態や、市民の方が被害にあった場合は公表する、などの基準があって、それに基づくと公表しないものも多くある。」（大阪市・横山市長）
(【タクシー逆走】約2週間公表しなかった『タイムラグのわけ』 大阪市長は万博関連で”公開基準”上げる方針「万博の事だから隠そうとしている、と思われないように」（MBSニュース） – Yahoo!ニュース)
投稿日：2025年6月8日