
万博の木曜日が、ひときわ賑やかだった。夢洲の空には、早朝から不思議な熱気が立ち上っていた。人の流れは川のように途切れず、西ゲートの前には、まだ開かぬ門を目指して、ひたすら並ぶ者たちの長い列がうねっていた。その列の隙間を縫うようにして、博覧会協会の職員たちは、巨大な箱から引き出されたスポットクーラーを、まるで儀式の供物のように慎重に運び、静かに設置していった。すでに稼働していた東の四十台に加え、ここに新たな二十台が加わることで、夢洲の空気は一瞬だけ冷涼な幻を纏った。
この奇妙な祝祭空間において、熱との戦いはもはや儀式の一部である。六月にはさらに三十カ所の給水所が追加されるという。その給水スポットは、今や島のあちこちで小さなオアシスのように人々を癒やし、気づけば累計200万回を超える利用が記録されたという。夢洲はもはやただの人工島ではない。人間の欲望と理想が編み上げた、きらびやかで混沌とした幻想都市なのである。
そんな日、アイスランドから一人の大統領が訪れた。ハトラ・トーマスドッティル。その名の響きはまるで北欧の神話に登場する賢者のようであった。彼女はウーマンズパビリオンに姿を現し、性差を越えて未来を語り合う場に身を置いた。そこに集った言葉は、炎天下の喧噪とは別の、静かで透明な響きを持っていた。まるで氷河のひび割れから漏れる水音のように。
一方で、西の一角では「PASONA NATUREVERSE」がついに50万人目の来訪者を迎えていた。民間パビリオンとしては異例の速度だという。記念すべきその人は、東京都からやってきた上野さん一家で、まるで選ばれし旅人のように、花束と記念品を手渡されていた。静かな歓声と拍手がパビリオンの前に広がる。その瞬間、夏の太陽すら一瞬だけ祝福の光に見えた。
大阪・関西万博。ここはただの見本市ではない。過去と未来がごった煮のように煮え立つ、怪しくも美しい劇場である。迷い込んだ誰もが役を与えられ、知らぬ間に芝居に参加している。たとえ熱気にくらくらしようとも、その眩暈すらこの万博では一種の演出に思えてくるのだ。
【速報】万博29日(木)の一般来場者は約12万1000人 木曜日としては最多を更新
2025年5月30日 9:36 読売テレビ
万博協会によりますと、大阪・関西万博の29日(木)の一般来場者数は速報値ベースで約12万1000人、パビリオンなどの関係者を含めた総来場者数は約14万人でした。
先週22日(木)の一般来場者数11万9741人、総来場者数13万7767人をそれぞれ上回り、木曜日としては最多となりました。
(【速報】万博29日(木)の一般来場者は約12万1000人 木曜日としては最多を更新(2025年5月30日掲載)|日テレNEWS NNN)
世界で最も男女平等が進む国・アイスランドの大統領が万博会場に「ジェンダーの革命は住みやすく平和な世界を目指すためのもの」
5/29(木) 19:20配信 MBSニュース5月29日、万博会場を訪れたのはアイスランドのハトラ・トーマスドッティル大統領です。去年8月に就任して以来、初の来日です。
国会議員や閣僚の半数近くを女性が占めるなど、世界で最も男女平等が進んでいる国アイスランド。
大統領はウーマンズパビリオンで開かれたトークセッションに出席し、世界平和や性別による格差の是正にむけ日本のジャーナリストと意見を交わしました。
(世界で最も男女平等が進む国・アイスランドの大統領が万博会場に「ジェンダーの革命は住みやすく平和な世界を目指すためのもの」(MBSニュース) – Yahoo!ニュース)
男女で「平等な機会確保を」 万博で格差是正訴え アイスランド大統領
5/29(木) 19:48配信 時事通信アイスランドのトーマスドッティル大統領は29日、大阪・関西万博の会場で、同国の「ナショナルデー」の式典に出席した。
「社会は分裂より協力を選択することでより平和になり、全ての人に平等な機会を確保することでより公平になる」と述べ、男女が平等な社会の実現を訴えた。
アイスランドは、各国の男女平等度を示す世界経済フォーラムの「ジェンダーギャップ指数」で15年連続1位を獲得した。トーマスドッティル氏は、同国で男女平等が進んだ背景について、1975年10月24日に全女性の9割が仕事や家事を休み、女性の担う役割の重要性を訴えたストライキ「女性の休日」が転換点になったとの見方を示した。
(男女で「平等な機会確保を」 万博で格差是正訴え アイスランド大統領(時事通信) – Yahoo!ニュース)
万博会場にスポットクーラー設置 暑さ対策を強化へ
05月29日 08時12分 NHK大阪・関西万博の会場には屋内で待機できる場所が少なく、これから暑さが厳しくなる中で入場者数が増えて行列で長い時間待つ場合などに熱中症のリスクが高まることが懸念されています。
博覧会協会は対策を強化することにしていて、28日は、担当者たちが倉庫からスポットクーラー20台を運び出し、西ゲート付近の行列が想定される場所に設置していきました。
東ゲートには40台が設置されすでに稼働していて博覧会協会は西ゲートのスポットクーラーを29日から稼働させ、今後、利用者が増えれば増設していくということです。
また、現在は32か所に設置している無料の給水スポットについて6月1日にはさらに30か所追加する予定だということで、暑さが本格化するのを前に対策を強化することにしています。
(万博会場にスポットクーラー設置 暑さ対策を強化へ|NHK 関西のニュース)
大阪万博パソナパビリオン、来場50万人達成で記念セレモニー
2025年5月29日 18:43 日本経済新聞パソナグループは29日、大阪・関西万博の自社パビリオン「PASONA NATUREVERSE(パソナ ネイチャーバース)」の累計来場者数が50万人を達成したことを記念し、パビリオン入り口前でセレモニーを開いた。民間パビリオンとしては最速ペースでの集客だという。東京都内から家族5人で訪れた上野さん一家が50万人目となった。
4月13日の開幕から数えて47日目で達成した。創業50周年と来場50万人を同時に祝う「50×50セレモニー」と題し、パソナグループの万博本部長を務める八木孝子常務執行役員らが上野さん一家に記念品を贈呈した。
セレモニー後に取材に応じた八木氏は「私たちが思っていた以上に達成が早かった。一度来場してくれた人がリピーターとして家族や友達を連れて再訪してくれている」と分析した上で「大変ありがたいことである一方、数を追うことにとらわれるのではなく、命を大切にするという私たちのパビリオンのメッセージを今後もしっかり伝えていきたい」と話した。
(大阪万博パソナパビリオン、来場50万人達成で記念セレモニー – 日本経済新聞)
万博で世界1のジェンダー先進国・アイスランドの女性大統領来日、アウスゲイルらのライブに長い列
6/1(日) 8:00配信 Lmaga.jp「世界経済フォーラム」が発表する「ジェンダー・ギャップ指数」、世界第一位の国、アイスランド。開催中の『大阪・関西万博』に、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデンの北欧5カ国共同で「北欧パビリオン」を出展する同国のナショナルデーが、5月29日に開催された。
式典の最後には、アイスランドの空気感を体現する人気アーティスト3組がパフォーマンス。最初に登場したのは、シンガーソングライターのJFDRこと、ヨウフリズル・アウカドッティル。ビョークをはじめとする多くのアーティストからも支持されている彼女の力強い歌声と幻想的なメロディーは、ホール内の空気を一変させた。
次に登場したのは、日本でもファンの多いシンガー・ソングライターのアウスゲイル。2023年の『フジロック』で「フィールド・オブ・ヘブン」ステージのトリを務めた以来の来日となった。彼のやさしく甘い歌声と、つまびくアコースティックギターの音色に、来場者はじっくり静かに耳を傾けていた。
最後は、作曲家・ピアニストのガブリエル・オラフスがパフォーマンス。彼の紡ぐ繊細なピアノの旋律が心地良く、万博会場内とは思えない澄んだ空気感を醸し出した。
(万博で世界1のジェンダー先進国・アイスランドの女性大統領来日、アウスゲイルらのライブに長い列(Lmaga.jp) – Yahoo!ニュース)