
八月五日、夏の陽炎が揺れる夢洲の地に、ひとつの国の物語が重なろうとしている。
戦火の続く東欧の国、ウクライナ。そのゼレンスキー大統領が、万博の会場を訪れる可能性がささやかれている。
ナショナルデーという節目の日、祖国の矜持を胸に、遠く離れた日本の人工島で、その姿が現れるかもしれないというのだ。だが翌日は広島にて平和記念式典が予定されており、時と場所が交差するこの日程に、外交の綾が静かに織り込まれていく。
<独自>万博にゼレンスキー氏、ウクライナデーの8月5日で調整 訪日実現なら首脳会談も
2025/4/19 04:30 産経ニュースウクライナのゼレンスキー大統領が、大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)で開催中の2025年大阪・関西万博の会場を訪問する方向で検討が進められていることが18日、分かった。複数の同国政府関係者が明らかにした。同国のナショナルデーにあたる8月5日を想定している。
2022年2月からロシアによる全面侵略を受ける中、万博を通じてウクライナの現状を国際社会に訴える狙いがあるとみられる。訪日が実現すれば、石破茂首相とも会談する見通し。
ただウクライナのナショナルデーの翌日は広島原爆の日にあたり、広島市で平和記念式典が行われるため、関係者は「日程の調整は容易ではない」との見方も示している。
ウクライナは万博で、日本政府の支援を全面的に受ける形で、一つの建物を複数国・地域で共同利用する「タイプC」と呼ばれるパビリオンを出展している。ウクライナ館では、デジタル技術を使って同国の人々の戦時下の暮らしや企業の活動を知ることができる内容になっている。
(<独自>万博にゼレンスキー氏、ウクライナデーの8月5日で調整 訪日実現なら首脳会談も – 産経ニュース)