2023年8月6日、ぴあアリーナMMで米米クラブの「a K2C ENTERTAINMENT TOUR 2023 ~WILD SOUL CARNIVAL~」を観た。公演名の時点でワイルド、ソウル、カーニバルと3つも背負っている。ひとつでも十分に騒がしい言葉なのに、遠慮なく全部である。
始まりは「レオのうた」。そこから2曲目に「浪漫飛行」が置かれ、「WE ARE MUSIC!」「愛はつづいてる」「俺色にそまれ」と続く。最初から知っている曲だけを頼りに歩かせる気はなく、米米クラブがこの日に用意した順番へ、こちらが素直についていく形になった。
そして6曲目に「君がいるだけで」。大きな曲をここで出しても、まだ全20曲のうち6曲目である。これでひと区切りなどと思っていると、その次は「セレンゲティ」だ。ぴあアリーナMMに来たはずなのに、曲名だけを見ると移動距離がおかしい。
今回、私が妙に引っかかったのは「大草原(生贄)~chaser」である。「大草原」だけでも広いのに、括弧の中に生贄がいる。さらにchaserまで付く。1曲の表記に、のんびり眺めていてはいけない事情が詰まりすぎている。
しかも前が「セレンゲティ」、後ろが「野生の女」だ。この3曲の並びには逃げ道がない。ツアータイトルの「WILD SOUL CARNIVAL」は飾りではなく、セットリストの中央へ向かう前から、こちらをきちんと野生側へ連れていく。
そこへ「やっタンゴたっタンゴ」が来て、「いみじくも君は遠い彼方 海よりも深い恋なの」へ進む。曲名の長短まで落ち着かない。「やっタンゴたっタンゴ」と口が勝手に弾みそうになった直後、今度は最後まで丁寧に読まないとたどり着けない題名が待っている。米米クラブのフルコースは、曲数だけ確認して済ませると大事なところを取りこぼす。
後半は「Blow It Up」から「ワイルドソウル」へ入り、「OH!」「Primitive Love」「El Co-Conga」と続いた。そして「どうにもとまらない」から「Shake Hip!」で本編を終える。どうにもとまらないと言ったあと、本当に止まらない順番なのだから、こちらとしては納得するしかない。
アンコールは「ときの旅路」と「上を向いて唄おう」の2曲だった。本編でワイルドもソウルもカーニバルも使い切ったように見えて、最後にはまだこの2曲が残されていた。全部盛りの公演名に始まり、括弧の中の生贄まで見届け、最後は上を向く。振り返っても、やはり忙しい一日だった。
それでも記憶にしつこく残ったのは、壮大な説明より「大草原(生贄)~chaser」という表記である。そこまで気にするところかと自分でも思うが、気になったものは仕方がない。2023年8月6日の私は、ぴあアリーナMMから米米クラブの20曲と、括弧の中に置かれた生贄を持ち帰った。