• 万博閉幕から

イタリア館のクロージングイベント

イタリア館のクロージングイベント

夢洲の西の空が、ほんのりと橙に染まりはじめた頃、イタリア館の前には静かな熱気が立ちこめていた。万博最終日の午後、そこでは、2026年ミラノ・コルティナ冬季五輪・パラリンピックに向けた、聖火トーチの引き継ぎ式——イタリア館のクロージングイベントが始まろうとしていた。

館内で半年間展示されていたトーチは、まるで眠りから目覚めたかのように光を放ち、フィギュアスケートの元世界女王、カロリーナ・コストナーの手によって屋外へと運び出された。その背筋の伸びた姿は氷上に立つときのように凛としており、まるで光そのものを滑らせるかのようだった。観客の間から自然と拍手がわき起こり、トーチの炎が西日に照らされて揺れると、夢洲の風景が一瞬、イタリアの山岳都市の冬を思わせるような清冽さを帯びた。

続いて登場したのは、日本のフィギュアスケート界を代表する宮原知子。静けさと強さを併せ持つその微笑みは、国と時代を超えてスポーツの精神を語りかけるようだった。そして、パラリンピック陸上のマルティーナ・カイロニ、東京大会で銀メダルを獲得した和田伸也——彼らが並び立つ姿には、言葉を超えた連帯の美しさが宿っていた。

この日のために用意された特設リンクでは、関西大学フィギュアスケート部が氷の上に舞い降りた。イタリア陸軍音楽隊の奏でるブラスの音が夕空に響き、スケーターたちの刃が氷を刻むたび、光が細かく跳ね、まるで未来への祈りが形になっていくようだった。

イタリア館の白い外壁が、夕暮れの金色を映して輝いていた。半年にわたり世界中の人々を迎えたこの館は、芸術と情熱、そして人間の可能性の象徴であり続けた。その最後の瞬間に、イタリアの風が夢洲を包み、会場はひとつの静かな感動で満たされる。

トーチは慎重に箱に収められ、次なる旅へと出発する準備を整えた。ミラノの冬の空の下で再び灯るその火は、きっと今日ここで感じた希望の延長線上にある。夢洲で生まれた光が、今度はアルプスを越えて、また新たな物語を照らすのだ。

風が止み、誰かがそっと手を振った。——さようなら、イタリア館。ありがとう、夢洲。
その瞬間、世界はひとつの息を合わせた。

【万博閉幕】イタリア館クロージングイベント「情報量多すぎ」…突如スケートリンク出現&音楽隊&日伊元五輪アスリート集結
10/13(月) 11:42配信 オリコン

 大阪・関西万博(大阪・夢洲)がきょう13日、閉幕する。さまざまな美術品を出展し人気を集めたイタリア館では内容盛りだくさんの「クロージングイベント」が催された。
 「ワールド・イタリア・スポーツデー」と題した、2026年ミラノ・コルティナ冬季オリンピック・パラリンピックを開催を前に、イタリア政府が世界各地で同時開催する国際的企画で、2014年ソチ五輪フィギュアスケート銅メダリストのカロリーナ・コストナーとパリ・パラリンピック陸上代表のマルティーナ・カイロニが出席。館内の聖火トーチの引き継ぎを行った。
 さらに18年平昌冬季五輪日本代表のプロフィギュアスケーターの宮原知子や21年東京パラリンピック1500メートル走銀メダルの和田伸也も登壇した。パビリオン前には、この日限定で特設スケートリンクが出現。イタリア陸軍音楽隊による演奏で関西大学アイススケート部がエキシビションを披露した。
(【万博閉幕】イタリア館クロージングイベント「情報量多すぎ」…突如スケートリンク出現&音楽隊&日伊元五輪アスリート集結(オリコン) – Yahoo!ニュース)

万博イタリア館で展示された聖火リレーのトーチを引き継ぎ ミラノ・コルティナ冬季五輪へ
10/13(月) 13:58配信 産経新聞

大阪・関西万博のイタリアパビリオンで13日、2026年ミラノ・コルティナ冬季五輪・パラリンピックの聖火リレーに使用されるトーチの引き継ぎ式が行われた。
トーチは万博期間中、パビリオン内で展示。このトーチがフィギュアスケートの元イタリア代表で14年ソチ五輪銅メダリストのカロリーナ・コストナーさんらの手で屋外ステージに運ばれると、大きな拍手が起こった。式典にはフィギュアスケートの元日本代表で18年平昌五輪に出場した宮原知子さんや、東京パラリンピックに出場した陸上選手、和田伸也さんらも出席した。
(万博イタリア館で展示された聖火リレーのトーチを引き継ぎ ミラノ・コルティナ冬季五輪へ(産経新聞) – Yahoo!ニュース)

万博イタリア館に展示の五輪トーチ返還 宮原知子さんらが式典に出席
10/13(月) 12:15配信 朝日新聞

 イタリア館ではクロージングイベントが開かれた。
 館内で展示されていた、来年2月に開幕するミラノ・コルティナ冬季五輪・パラリンピックの聖火を運ぶトーチが、ミラノ側に返還された。
 フィギュアスケートの元世界女王カロリナ・コストナーさんらが館内から2本のトーチを運び、輸送用の箱に厳重にしまった。
 式典にはフィギュアスケーターの宮原知子(さとこ)さんも登壇。「スポーツは年齢や言葉、文化などたくさんの垣根を越えてつながるチャンスを与えてくれる」と話し、スポーツの力が明るい未来社会に導いてくれる、と語った。
 パビリオン前には特設のスケートリンクが登場し、関西大学フィギュアスケート部の選手たちが華麗な滑りを見せた。
(万博イタリア館に展示の五輪トーチ返還 宮原知子さんらが式典に出席(朝日新聞) – Yahoo!ニュース)

投稿日:2025年10月15日

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