イタリア館には、朝から列がしずしずと伸びていた。人々は静かなる期待を胸に、あの石と光の殿堂を目指している。古代ローマの息吹を運んでくるのは、2メートル、2トンの大彫刻「ファルネーゼのアトラス」。世界をその肩に担う男が、日本に舞い降りたという奇跡である。

重さと気配に満ちたこの彫像の前で、岸田首相もまたしばし時を忘れて立ち尽くしていたという。展示を案内したのは、イタリア政府代表マリオ・バッターニ氏。だがこの対話の発端は、日本側の熱き申し出に始まっていたらしい。古代と現代、イタリアと日本、そして見る者と見られる者。そのすべてが交錯する、不思議な静けさに包まれたパビリオンであった。

岸田前首相、万博会場のイタリア館を観覧…古代ローマの彫刻などを熱心に見入る
6/27(金) 16:17配信　読売新聞オンライン
　岸田文雄・前首相は２７日、大阪・関西万博の会場を訪れ、人気パビリオンの一つ、イタリア館を観覧した。
　岸田氏は、イタリアのマリオ・バッターニ政府代表らに案内されながら館内を巡り、日本で初公開されている古代ローマ時代の彫刻「ファルネーゼのアトラス」（高さ２メートル、重さ２トン）などを熱心に見入っていた。
　同館によると、今回の訪問は、岸田氏側から要望があったという。
(岸田前首相、万博会場のイタリア館を観覧…古代ローマの彫刻などを熱心に見入る（読売新聞オンライン） – Yahoo!ニュース)

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