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null²の引越、記録映画

null²の引越、記録映画

大阪・関西万博のシグネチャーパビリオン「null²(ヌルヌル)」。その奇妙な名前の建築は、鏡の膜が呼吸するように伸び縮みし、周囲の風景と観客自身を映し込みながら、無限に反射する空間を現出させる。プログラム用語の「null」を掲げ、存在と不在の狭間を遊ぶこの装置は、会期中わずか数%の当選確率しかなかった超人気パビリオンだった。

だが万博は仮設の夢である。建物は閉幕とともに消え去り、「ヌル」へ戻っていく。落合陽一氏はその宿命を受け入れつつ、新たな「お引越し」に向けてクラウドファンディングを始めた。開始から24時間で1億円を達成し、すでに2億円を目指している。

支援は1000円から1000万円まで、外壁の「ヌルのかけら」やパーカーなどの返礼が並ぶ。だが真に求められるのは物質ではなく、この儚い建築が再び立ち上がるための時間と場所である。

移設先はまだ決まっていない。パビリオンをそのまま移すのではなく、理念を保ちながら土地に合わせて再設計するという。費用は数十億円規模に及び、1億円では企画や設計の第一歩にすぎない。それでも、この「ぬるぬるのお引越し」を共に見守りたいと願う人々が次々と手を差し伸べる。

そして、この儚い存在を映画に閉じ込めようという試みも進んでいる。「null²は一体何であったのか」。その問いに応える記録映像が制作され、入れなかった者にも幻影の片鱗が届くことになるだろう。万博が終わっても、ヌルヌルはヌルに還り、そしてまたヌルから生まれ出る。まるで永遠に続く夢のように。

万博「null2」落合陽一氏が「とても大切なお知らせ」 “お引越し”発表「どうか皆さんのお力を」クラファン開始
10/1(水) 11:18配信 オリコン

 大阪・関西万博のシグネチャーパビリオン「null2」(ヌルヌル)をプロデュースした落合陽一氏が10月1日、自身のXを通じ、「ぬるぬるのお引越」を明らかにした。クラウンドファンディングで資金調達する。
 落合氏は「とても大切なお知らせ」として、「大阪関西万博シグネチャーパビリオン落合陽一館null2クラウドファンディングのお願い」を掲載し、長文で想いをつづった。
 「null2は万博という時限付のもの,ヌルから始まり必ずヌルに戻るというコンセプトなので現存の建物やシアターはなくなりヌルになりますが,また皆様にお会いできるように違ったヌルヌルに生まれ変わることを考えています」とし、「これから新天地を探しながら新しい形のヌルに生まれ変わっていくことになりますので,基本的なコンセプトを考えたり,またチームを集めたり,いろんなことをしていくことになります.そんな『ぬるぬるのお引越し』を見守りながら共に楽しんでくれる支援者の方をクラウドファンディングで募集させていただくことになりました」と伝えた。
 「READYFOR」でクラウドファンディングの募集を開始。「万博後も《null2》を新たな場所で、多くの方に」と趣旨説明。
 「限られた敷地面積、そして圧倒的に厳しい財務状況の中、プロフェッショナルたちの技術力、そして汗と気合によって、風景と自らの輪郭が溶け合う『動く建築』が誕生しました。ただ、万博の会期中は入場枠の当選確率はわずか数%ほど。受け入れ人数に大きな壁があったこの展示を今後より多くの方々に体験いただけるものとするため、現在、全国さまざまな場所への“引越”を目指しています」と説明し、「とはいえそのためには大きな費用が必要です。どうか皆さんのお力をお貸しください」と呼びかけた。
 第一目標金額は1億円。「万博での《null2》パビリオン建設にかかった費用は数十億円にのぼります。今回の第一目標額である1億円を達成できたとしても、新たな場所での再始動にかかる費用すべてをまかなうことはできません。しかし、まずは1億円集めることができれば、引越にあたって大きな一歩を踏み出すことができます」とつづった。
 引越先の具体的な場所・時期・設置期間などは「現時点では未定」。
(万博「null2」落合陽一氏が「とても大切なお知らせ」 “お引越し”発表「どうか皆さんのお力を」クラファン開始(オリコン) – Yahoo!ニュース)

万博「null2」移設クラファン、1日で1億円達成 1人で1000万円の支援も……落合陽一氏「感無量」 次は2億円へ
10/2(木) 10:11配信 ITmedia NEWS

 メディアアーティストの落合陽一氏による、大阪・関西万博のパビリオン「null2」(ヌルヌル)を、万博閉幕後に別の場所へ移設するためのクラウドファンディングが、10月1日のスタートから2日午前9時半までの24時間以内に、目標額の1億円を達成した。
 落合氏は「24時間以内に達成,感無量です! みんなnull2を好きでいてくれて本当にありがとう!」と感謝を述べつつ、「これからセカンドゴールに向けて頑張っていきます」と、次のゴールを2億円に設定。引き続き支援を呼び掛けている。募集は12月19日まで。
 支援は1000円から1000万円のコースを用意。これまでに100万円の支援が3口、108万円が2口、1000万円の支援が1口あるなど高額支援も相次いでおり、ファンの期待の高さがうかがえる。
 リターンは、null2の外壁の鏡素材「null2のカケラ」や、落合氏が「ぬるぬる」の文字をデザインした「null2パーカー」、null2の模型など。100万円、1000万円の支援はリターンなしだ。
 移設にあたっては、万博のパビリオンをそのまま移動するのではなく、コンセプトを保ちながら新天地に合わせた規模とデザインで再設計する方針。1億円で設計や企画検討などの費用をまかなうことができるが、パビリオンの建設費は数十億円かかっており、移設には1億円では足りないという。
(万博「null2」移設クラファン、1日で1億円達成 1人で1000万円の支援も……落合陽一氏「感無量」 次は2億円へ(ITmedia NEWS) – Yahoo!ニュース)

落合陽一のパビリオン《null²》を全国各地へ。クラウドファンディングがスタート
10/1(水) 17:49配信 美術手帖

 メディアアーティスト・落合陽一がプロデュースする大阪・関西万博シグネチャーパビリオンの《null²》。本作を全国様々な場所に引っ越しするためのクラウドファンディングがREADYFORではじまった。
《null²》は素材から建築を構成したというパビリオンで、ミラーキューブを積み重ねたような外観を持つ。「ヌルヌルした建築がつくりたい」という落合の考えのもと、伸縮する素材を使用。キューブの内部にはロボットアームが入っており、建築自体が収縮や振動を繰り返すものだ。内部は高さ8メートルの巨大なミラールームとなっており、鏡の中に仕込まれたLEDによって現実とデジタルの境界が曖昧になるような没入型の体験ができる。
 しかし万博の会期中の同作は、入場枠の当選確率がわずか数パーセントほどとなっており、受け入れ人数に大きな壁があった。この展示を今後より多くの人々が体験できるよう、現在、全国様々な場所への展開を目指している。
(落合陽一のパビリオン《null²》を全国各地へ。クラウドファンディングがスタート(美術手帖) – Yahoo!ニュース)

万博の落合陽一パビリオン「null2」移設クラファン開始 返礼品は「かけら」や「ぬるぬるパーカー」
10/1(水) 12:27配信 ITmedia NEWS

 「ぬるぬるのお引越」――メディアアーティストの落合陽一氏が代表を務める「計算機と自然」は10月1日、大阪・関西万博のパビリオン「null2」(ヌルヌル)を、万博閉幕後に別の場所へ移設するためのクラウドファンディングを「READYFOR」で開始した。目標金額は1億円。
 万博では超人気パビリオンで、入場枠の当選確率はわずか数%だったnull2。移設先は未定だが、より多くの人に体験してもらうことを目指す。クラウドファンディングで、移設に向けた再設計・見積もり費用などをまかなう予定。12月19日まで支援を募る。
 null2は、伸び縮みする鏡素材「ミラー膜」の外装を、内部からロボットアームで動かすことで生き物のように変形し、周囲の風景を映し出す。内部は全面が鏡面状のLEDモニターに囲まれた「無限に反射する空間」空間で、時間や空間の認識を問い直す。開発には太陽工業やアスラテック、NOIZなどが参画した。
 移設にあたっては、万博のパビリオンをそのまま移動するのではなく、コンセプトを保ちながら新天地に合わせた規模とデザインで再設計する方針だ。
 移設の声は全国各地からかかっているが、場所や環境に合わせた再設計などの資金がないため、企画検討や見積もり、設計、記録映像制作などにかかる費用を募る。企業からの協賛金集めも並行しているという。
 目標金額に届かなくてもプロジェクトを実行する。移設を断念した場合も記録映像制作や基本計画策定の費用に充当するため返金はない。
(万博の落合陽一パビリオン「null2」移設クラファン開始 返礼品は「かけら」や「ぬるぬるパーカー」(ITmedia NEWS) – Yahoo!ニュース)

落合陽一による大阪・関西万博パビリオン「null²」記録映画が製作中
9/30(火) 10:11配信 映画ナタリー

落合陽一がプロデュースする大阪・関西万博のパビリオン「null²(ヌルヌル)」。同作の記録映画「null²(ぬるぬる)(仮題)」の製作が明らかに。落合が自らのSNSで特報とともに発表した。
人類がいまだ見たことのないインタラクティブな構造体として設計されたnull²。nullとはコンピュータプログラミングで「値がない」状態を意味する。パビリオンでは訪れる人々の体をデジタル化し、有機的に変形させ、自然と人工物、身体と情報空間が融合した「デジタルネイチャー(計算機自然)」の体験を提供している。
「null²(ぬるぬる)」は「2025年の大阪関西万博で巻き起こったnull²の物語」を映画という形で紡ぐ作品になるという。落合が監修を務めるほか、森孝介が監督、大木彩子が制作統括を担う。
落合は「今までずっとnull²をどう伝えるか,入った人も入れなかった人にも何か残せるものがないか,そんな気持ちで我々は映画を撮り続けてきました.パビリオンはなくなる.万博は常に終わりに向かっていく仮設のもの,儚い一瞬の輝きです」「null²というパビリオンは一体何だったのか,それを読み解き,伝えるために,多くの有識者の方々にインタビューにご協力いただき,形になってきました」と報告した。
(落合陽一による大阪・関西万博パビリオン「null²」記録映画が製作中(映画ナタリー) – Yahoo!ニュース)

落合陽一氏、大阪・関西万博シグネチャーパビリオン引っ越しクラファン1億円突破に感謝
[2025年10月3日9時0分] 日刊スポーツ

メディアアーティストの落合陽一氏(38)が2日、インスタグラムを更新。自身がプロデュースを手がけた大阪・関西万博シグネチャーパビリオン「null〓(上付き2)(ヌルヌル)」引っ越しのためのクラウドファンディングが、24時間以内に1億円を突破したとし感謝を伝えた。
落合氏は「24時間以内に達成,感無量です! みんなnull〓(上付き2)を好きでいてくれて本当にありがとう!」と支援者へ感謝を伝え「ぬるぬるのお引っ越し セカンドゴールへ挑戦は続く、 1億円突破 ご支援本当にありがとうございます」と記された「null〓(上付き2)」の写真を添えた。
続けて「これからセカンドゴールに向けて頑張っていきます。引き続き応援よろしくお願いします!」と意気込んだ。
(落合陽一氏、大阪・関西万博シグネチャーパビリオン引っ越しクラファン1億円突破に感謝 – 芸能 : 日刊スポーツ)

万博の人気パビリオン「ヌルヌル」 落合陽一さんが一部移設を表明
2025年10月3日 23時14分 朝日新聞

 大阪・関西万博でシグネチャーパビリオン「null²(ヌルヌル)」を手がけるメディアアーティストの落合陽一さんが3日、報道陣の取材に応じ、関西外の地域にヌルヌルの一部を移設する考えを明らかにした。
 ヌルヌルの建物は、落合さんと建築ユニットNOIZの豊田啓介さんらがデザイン。鏡面のような幕で覆われており、震えたり、伸び縮みしたりするのが特徴だ。
 内部も鏡張りで、落合さんの世界観を反映した映像展示などが繰り広げられる。会期中は人気が高く、予約がなかなか取れなかったことから「移設してほしい」という声が上がっていた。
 落合さんは1日、SNSのXに「また皆様にお会いできるように違ったヌルヌルに生まれ変わることを考えています」などと投稿。「新天地を探しながら新しい形のヌルに生まれ変わっていくことになりますので、基本的なコンセプトを考えたり、またチームを集めたり、いろんなことをしていく」として、クラウドファンディングでの資金調達を始めた。
 当初は1億円を目標にしていたが、23時間ほどでこれを突破。目標を2億円に上方修正し、12月19日まで支援を受け付ける。
(万博の人気パビリオン「ヌルヌル」 落合陽一さんが一部移設を表明 [大阪・関西万博2025]:朝日新聞)

【万博】人気パビリオンの今後は?「null2」は移設して存続へ 費用はクラファンで1億円超集まる
2025年10月3日 17:10 YTV NEWS NNN

 さあ、そして私の後ろにあるのが、一際目立つパビリオンです。鏡張りになっていて、中の音が漏れ聞こえて振動している人気のパビリオン。メディアアーティストの落合陽一さんが手掛けたパビリオン「null2(ヌルヌル)」です。中の様子をご覧ください。
 テーマは『いのちを磨く』。AI(人工知能)がつくり出す映像を光と鏡で映し出しているほか、専用アプリで事前に音声や姿を登録すると、デジタル化した自分の分身と対話することが出来るということなんです。
 予約必須のパビリオンでなかなか入れないので、入ることができた人はレアなんです。そんな、行けなかった皆さんに朗報です!
 万博が終わった後もコンセプトはそのままに、新しい移設場所に合わせた規模・デザインで再構築していく予定だということです。
 ただ、そのためにはやはりお金がかかるということで、今月に入って落合さんがクラウドファンディングで募ったところ、一日足らずで第一目標だった1億円を突破したということなんです。
(【万博】人気パビリオンの今後は?「null2」は移設して存続へ 費用はクラファンで1億円超集まる(2025年10月3日掲載)|YTV NEWS NNN)

万博「null2」一部移設へ…落合陽一さん「関西の熱狂を日本中に届ける」
10/4(土) 15:10配信 読売新聞オンライン

 大阪・関西万博のテーマ館「null2(ヌルヌル)」のプロデューサーを務めるメディアアーティストの落合陽一さん(38)が3日、同館の一部を移設する考えを明らかにした。落合さんは「関西の人々が熱狂してくれたものを日本中に届けるというのがミッションだと思っている」と述べ、移設先は関西以外を検討しているとした。
 「null2」は、鏡のように見える伸縮性のある膜材で覆われた外観が特徴で、館内では、投影された映像が無限に反射するような幻想的な空間を体験できる。人気パビリオンの一つで、落合さんは報道陣の取材に対し「外装、内装と共に連携し、何かをお客さんに与えたものにはなったかなと思う」と述べた。
 1日に移設費などを募るクラウドファンディングを発表したところ、早々に目標の1億円を達成。目標を2億円に引き上げ、引き続き支援を受け付けている。
(万博「null2」一部移設へ…落合陽一さん「関西の熱狂を日本中に届ける」(読売新聞オンライン) – Yahoo!ニュース)

落合陽一さん「記念碑的なイベントになった」 万博の人気パビリオン「ヌルヌル」で有機的なつながり
10/4(土) 12:35配信 産経新聞

大阪・関西万博の人気シグネチャーパビリオン「null²(ヌルヌル)」を手掛けるメディアアーティストの落合陽一さんが3日夜、報道陣の取材に応じ、万博について「今の若いクリエーションの世代には重要な記念碑的なイベントになった」と手応えを語った。
ヌルヌルのパビリオンは、鏡面のキューブを積み重ねたような外観。パビリオン内では鏡とLEDを使った映像展示が行われ、デジタル世界と現実世界を行き来するような心地の没入型アートを体験できる。
万博会期中に38歳の誕生日を迎えた落合さん。万博のテーマ事業プロデューサーとして30代の大半を万博の準備に費やしたという。「自分の若い時代の、だいたい全部のエネルギーを投入した」と話すパビリオンは30代での代表作となった。途中、資金不足に悩まされながらも仲間を集め、AIやロボットを駆使しながらパビリオンを作り運営した経験については「有機的な仲間のつながりというものが得られたのが非常に重要なこと」と振り返った。
(落合陽一さん「記念碑的なイベントになった」 万博の人気パビリオン「ヌルヌル」で有機的なつながり(産経新聞) – Yahoo!ニュース)

投稿日:2025年10月3日

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