• 万博閉幕から

万博カナダ館で熱中症対策を要請

万博カナダ館で熱中症対策を要請

大阪・関西万博の会場に建つカナダパビリオン。そこでは未来を見せるはずの場所で、なぜか旧来の労働の影が濃く差していた。炎天下のなか、スタッフたちは冷房の利かない館内と戸外を行き来しながら、日差しと時間の両方に焼かれ続けていた。ついには二人のスタッフが体調を崩し、医師から「熱中症の疑い」と診断されるに至る。もはやこれは単なる暑さの問題ではなかった。

労働組合「ゼネラルユニオン」は、この事態を「労災」と認識し、派遣元である東京の会社と万博協会に対して、熱中症対策や残業制度の是正を求めて要請書を提出した。問題の根は深い。というのも、労働者が働くうえで最低限守られるべき「三六協定」──残業に関するルールの明示が、開幕から三か月近くも従業員に示されていなかったのである。

異国から来た三十名余りのスタッフは、ドバイを本拠とする人材派遣会社に雇われ、知らぬ間に法の網目をすり抜けた残業を課されていた。契約の不備から賃金支払いも遅れ、口座すら開けずにいた者もいたという。労組はこの派遣会社が他国パビリオンも運営していると指摘し、問題がより広がる可能性にも言及した。

万博という未来の見本市において、過去の亡霊のような労務問題が、静かに足音を立てて歩いていた。

万博カナダ館で熱中症対策を要請 派遣スタッフの労組が記者会見
7/16(水) 18:24配信 共同通信

 大阪・関西万博のカナダ館で、時間外労働があることを定めた労使協定(三六協定)が周知されないまま残業が発生していた問題に絡み、派遣スタッフが加入する労働組合「ゼネラルユニオン」(大阪)が16日、記者会見を開いた。雇用主の人材派遣会社と日本国際博覧会協会(万博協会)に提出した、熱中症対策などを求める要請書について説明した。
 要請書などによると、派遣会社は「BLR JAPAN」(東京)。カナダ館では今月9日、スタッフ2人が体調不良を訴え、医療機関で「熱中症の疑い」と診断された。スタッフは炎天下で4~5時間の連続勤務を余儀なくされ、館内のエアコンも故障しており「労組としては労災と認識している」としている。
 大阪市内で開いた会見で、ゼネラルユニオンの寺尾そのみ執行委員は「万博協会には主催者として(派遣会社に対する)迅速な調査と指導をしてほしい」と求めた。労組は他にも、派遣会社が作成した契約書の不備が原因で、一部で賃金が円滑に支払われていないと主張している。
(万博カナダ館で熱中症対策を要請 派遣スタッフの労組が記者会見(共同通信) – Yahoo!ニュース)

【速報】万博カナダ館「36協定開示されず時間外労働」協会に改善求める要請書 ドバイの人材派遣会社「日本で働いてよかったと実感できるように」
2025年7月16日 16:16 読売テレビ

 外国人労働者が多く加入する労働組合「ゼネラルユニオン」は16日に会見を開き、大阪・関西万博の「カナダパビリオン」で働く労働者が、労使協定が周知されないまま時間外労働をさせられていたなどとして、万博協会などに改善を求める要請書を送付したことを明かしました。
 ゼネラルユニオンによりますと、カナダ国籍などの30人は、ドバイに本社を置く人材派遣会社やその日本法人と雇用契約を結んだ上でカナダパビリオンで従事していますが、4月の開幕以降、労働基準法で周知が義務付けられている労使協定(36協定)が開示されないまま、時間外労働をさせられていたと訴えています。
 6~7月にかけて、協定の内容が従業員側に周知されましたが、実態には合っていないことから、派遣会社側に新たに労使協定を結ぶよう求めています。また、契約の不備により、給与振り込み口座の開設が遅れたり、保険料や税額が確定しなかったりしたため、賃金の支払いの一部が遅れているということです。
 組合側は2日付でカナダ大使館に問題の調査・解決を求める要請書を送るとともに、この人材派遣会社がアイルランド・ドイツ・クウェートなど複数のパビリオンの運営も担っていることから、万博協会に対しても、3日付で改善を求める要請書を提出したとしています。
(【速報】万博カナダ館「36協定開示されず時間外労働」協会に改善求める要請書 ドバイの人材派遣会社「日本で働いてよかったと実感できるように」(2025年7月16日掲載)|日テレNEWS NNN)

【万博】「36協定」周知せずスタッフ残業させたか カナダパビリオンに派遣の会社 開幕約3カ月後に周知
2025年7月16日 水曜 午後6:45 関西テレビ

労働組合が万博のカナダパビリオンで、労使協定が周知されないままスタッフが残業を行っていたと訴えました。
労働組合「ゼネラルユニオン」によると、東京都の派遣会社は、カナダパビリオンにスタッフおよそ50人を派遣していて、月に最大20時間程度の残業が発生していましたが、時間外労働に関する労使協定、いわゆる「36協定」の説明を行っていませんでした。
労働基準法では、会社側が36協定を周知するよう義務付けていますが、派遣会社がスタッフ全員に協定を周知したのは、開幕から3カ月近く経ってからだったということです。
また、カナダパビリオンでは、熱中症でスタッフが救急搬送される事案も起きているということで、スタッフは「問題が速やかに解決することを切望しています」とコメントしています。
(【万博】「36協定」周知せずスタッフ残業させたか カナダパビリオンに派遣の会社 開幕約3カ月後に周知|FNNプライムオンライン)

万博カナダ館「36協定開示されず時間外労働」労働組合が実態にあった協定締結を人材派遣会社に求める
2025年7月16日 19:10 YTV NEWS NNN

 大阪・関西万博のカナダパビリオンで、時間外労働を定めた労使協定が従業員に周知されないまま残業が行われていたことがわかりました。
 外国人労働者が多く加入する労働組合、「ゼネラルユニオン」によりますと、カナダパビリオンの従業員らは、時間外労働について定めた労使協定、36協定が周知されないまま残業をさせられていたということです。
 労働基準法では、残業を行う業務の種類や上限を定めた協定を結び、従業員に周知することが義務となっています。
(万博カナダ館「36協定開示されず時間外労働」労働組合が実態にあった協定締結を人材派遣会社に求める(2025年7月16日掲載)|YTV NEWS NNN)

投稿日:2025年7月21日

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