• 万博閉幕から

アメリカ館工事でも下請け業者未払い

アメリカ館工事でも下請け業者未払い

万博という夢の舞台裏で、誰かの現実が静かに崩れていく――。
煌びやかなアメリカ館。その内側では、無数の手が、壁を立て、石膏を張り、未来の形をつくっていた。千葉県の内装業者は、その未来の建築に、誇りを持って腕をふるった。だが、届くはずの報酬は、二月末を境にぱたりと止んだ。積み重ねた工事費、約2800万円。

その金額は数字ではなく、生活そのものである。
子が大学を辞め、親は頭を下げ、事務所兼自宅さえ手放す決意を抱えた。これは一つの家族が万博にささげた、代償であった。

そして、発注元である二次下請け業者は破産。舞台は整っても、照明の裏では、働いた人々の暮らしが真っ暗闇に沈んでいく。国際イベントの華やかさとは裏腹に、どこかに小さな倒壊音が響いている。

万博は未来を描く場所であるはずだ。けれども、そこに携わった誰かの未来が失われているとしたら、それは果たして「祝祭」と言えるのだろうか。夢洲に立つパビリオンの影には、夢を失った人々の影もまた、確かに横たわっているのだ。

【独自】大阪・関西万博 アメリカ館工事でも下請け業者間で未払い 相次ぐ海外パビリオンの工事費未払い問題
7/2(水) 11:59配信 TBS NEWS DIG Powered by JNN

大阪・関西万博で相次ぐ、海外パビリオンの工事費未払い問題。新たにアメリカ館の工事に携わった下請け業者間でも未払いが起きていることがわかりました。br />
千葉県の内装業者は3次下請けで建物の壁などの組み立てを請け負い、去年11月から今年3月まで、工事を行いました。しかし、この内装業者によると、2次下請けからの入金が2月末で途絶え、およそ2800万円が支払われていないということです。
未払いの工事費について、一部だけでも早く支払ってほしいと発注元の2次下請けと交渉していましたが、その最中の5月に突然、破産。工事費の回収のめどが立たなくなっているということです。
(【独自】大阪・関西万博 アメリカ館工事でも下請け業者間で未払い 相次ぐ海外パビリオンの工事費未払い問題(TBS NEWS DIG Powered by JNN) – Yahoo!ニュース)

アメリカ館でも工事費未払い「息子に大学を辞めてもらって…ごめんなって」途方に暮れる3次下請け 業者倒産で約2800万円支払われず…車手放し自宅売却も検討「こんなことがあっていいの?」【万博】
7/4(金) 14:00配信 MBSニュース

 続々と発覚している大阪・関西万博の工事費未払い問題。MBSではこれまでにもアンゴラやマルタのパビリオンでの未払い問題を取り上げてきましたが、人気の「アメリカパビリオン」などでも問題が起きているようです。車や子どもの大学費用まで手放す業者も…。問題はどこまで広がるのか、実態に迫りました。
 【番組に届いたメール】
 「私は内装業を営む代表者です。私も、万博工事に3次業者として携わりました。こんなずさんな元請けとは思わず…多分倒産します」
 3次の下請けで主に建物の壁を作るための骨組みを立て、石膏ボードをはる作業などにあたっていました。しかし、発注元からは2月末の支払いを最後に入金が途絶え、追加分の人件費などを含む工事費約2800万円が支払われていないといいます。

 そして5月中旬、耳を疑う連絡が…
 (Aさん)「『会社(2次下請け)がつぶれました』という連絡があって、後日、弁護士からは破産手続き開始報告という手紙が来て。これはまずいぞと。二枚舌を使われたな、と」
 一部だけでも早く支払ってもらうよう発注元と交渉をしていた最中の経営破綻。未払い金の回収は非常に困難な状況になりました。
金の工面に奔走「子どもに大学辞めてもらって…悔しい」
 Aさんはこの間、滞った職人や協力会社への支払いにあてようと別の仕事を増やしたり車を売却したり、金の工面に奔走してきました。しかし、万策尽きて…
 (Aさん)「子どもに『払えないから』と大学を辞めてもらって…。ごめんなって。辞めてもらって。息子は…『働きに行くよ』って言ってくれて。悔しいですよね」
 3年前に建てた事務所兼自宅を手放すことも考えているといいます。
(アメリカ館でも工事費未払い「息子に大学を辞めてもらって…ごめんなって」途方に暮れる3次下請け 業者倒産で約2800万円支払われず…車手放し自宅売却も検討「こんなことがあっていいの?」【万博】(MBSニュース) – Yahoo!ニュース)

万博の米国館、内装業者が破産 2800万円未払いか
7/4(金) 16:17配信 共同通信

 大阪・関西万博の米国館工事に関わった東京都足立区の内装業者が、東京地裁から破産手続き開始決定を受けたことが4日、分かった。下請けで内装工事に携わった千葉県の男性が取材に応じ、約2800万円が未払いになっていると明らかにした。
 男性によると、破産した業者は2次下請けで、男性が社長を務める会社が3次下請けとして、昨年11月~今年3月、米国館での工事を担った。2月末ごろから足立区の業者による支払いが滞るようになり、この業者は5月12日に破産手続き開始決定を受けた。
 男性自身も下請けへの支払いで対応に追われ、経済状況が悪化。長男は大学を中退し働くことになったという。
(万博の米国館、内装業者が破産 2800万円未払いか(共同通信) – Yahoo!ニュース)

投稿日:2025年7月5日

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