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大屋根リング一部保存

大屋根リング一部保存

夢洲の空を抱くように架けられた大屋根リングは、大阪・関西万博の象徴であり、未来への門のようでもあった。その巨大な環は、やがて消え去るはずだった──だが、夢はそう簡単に解体されはしなかった。

6月23日、ついに協会が決断を下した。一部を人が登れる姿のまま、保存するというのである。北東の200メートルか、あるいは南の350メートルか。物見塔として生き永らえるその姿は、展望台とも言われ、未来の観光地として人々の記憶に根を張るだろう。

本来は仮設建築物として扱われていたが、防火設備などを新たに設けることなく残す「準用工作物」としての選択肢が現実味を帯びてきた。法と夢との間に立つ議論は続くが、リングの保存には十年で17億円という時の代償が伴う。

それでも誰かが空を見上げ、あの輪の向こうに何かを思い描くなら──この構造物は、ただの鉄とコンクリートではない。都市の詩であり、万博という一過性の熱狂が遺した、静かなる記憶装置なのである。

大屋根リング「展望台」案が有力、一部保存を正式決定…万博協会
2025/06/24 06:00 読売新聞

 日本国際博覧会協会(万博協会)は23日、大阪・関西万博のシンボル・大屋根リングの一部を現在のように人が上がれる形で保存することを正式に決めた。会場北東の200メートルか南側の350メートルを、費用が抑えられる「展望台」などとして残す方針。
 リングの1周2キロのうち、北東200メートルは大阪府と大阪市が秋以降に開発事業者を公募するエリアにあり、事業者負担での保存を目指すが、応じる事業者が現れなければ開発まで猶予がある南350メートルを保存する。こうした方針は、国や万博協会、経済界、府・市でつくる23日の検討会で打ち出され、同日の万博協会理事会で了承された。
 検討会では、府と市が、リングの南350メートルを保存する場合の法的な位置づけについて、▽建築基準法の「建築物」▽同法の準用工作物(展望台)▽道路法に基づく道路施設(歩道橋)――の3案を提示した。
(大阪万博:大屋根リング「展望台」案が有力、一部保存を正式決定…万博協会 : 読売新聞)

大阪万博の大屋根リング保存、防火規定除外案軸に検討 9月にも決定
2025年6月23日 16:00 日本経済新聞

大阪・関西万博の大屋根リング保存に向け、大阪府・市は23日、閉幕後の法的な取り扱いについて、防火対策が除外される「準用工作物」とする案を軸に検討すると明らかにした。9月末にも開く日本国際博覧会協会の理事会で結論を得ることを目指す。
同日、国、経済界、協会と開いた会合で、準用工作物として建築基準法上の主要な耐火・防火規定を除外する案、同法上の建築物の特例として国土交通相の認可を得て耐火対策を緩和する案、道路法に基づく歩道橋として残す案の計3案を示した。特例適用の審査に要する期間や必要となる改修の観点などから、準用工作物とすることを本命視する。
今後、管理主体や財源についても詰める。万博運営費の剰余金や、地方創生交付金といった国の補助金、大阪府・市の自主財源を充てることを想定する。
現在、リングは「仮設建築物」として扱われており、耐火性能などの基準が緩和されている。ただ、仮設許可は2027年2月まで。以降も人が上がれる形で残置する場合、取り扱いを整理する必要があった。
(大阪万博の大屋根リング保存、防火規定除外案軸に検討 9月にも決定 – 日本経済新聞)

【万博】大屋根リング、大阪府市「のぼれる形」で残す方針示す 南側部分の補修費は10年間で17億円
2025年6月23日 17:14 YTV NEWS NNN

 大阪・関西万博の「大屋根リング」をどのような形で残すのか。23日、「人がのぼれる形」で残す方針が示されましたが、費用面などの問題は解決できるのでしょうか。
 建設費約350億円。1周約2キロ、高さ最大20メートルの世界最大の木造建築物「大屋根リング」。その“万博レガシー”の保存をめぐる議論が23日、行われました。
 大阪府・吉村洋文知事「いわゆる観光地にある展望台と同じような扱いの『物見塔』が非常に現実的だろう」
 大屋根リングは当初、閉幕後にすべて解体する予定でしたが、一部を改修した上でモニュメントとして残す案などが検討されてきました。
 23日に行われた検討会で、大阪府市は、北東の200メートルの部分か、南側の350メートルの部分を解体せず、「人が上れる形」で残す方針を示しました。
 現在、水上ショーの再開が検討されている大屋根リングの南側。保存には防腐対策などが必要で、10年間で17億円の補修費用がかかると試算されています。
(【万博】大屋根リング、大阪府市「のぼれる形」で残す方針示す 南側部分の補修費は10年間で17億円(2025年6月23日掲載)|YTV NEWS NNN)

【速報】万博の『大屋根リング』閉幕後の活用 北東の200mか南側の350m「のぼれる形」で残置へ 費用や運営主体「府民・市民の理解が得られる形で」
2025年6月23日 12:42 YTV NEWS NN

 大阪・関西万博のシンボル「大屋根リング」の閉幕後の活用方法を議論する検討会が23日に行われ、リングに「人がのぼれる形」で北東部の200mか南側の350mのどちらかを残す形で進めていく方向で検討を続けることが決まりました。
 吉村知事は、「どのくらいコストがかかるか8月末までの協議し、万博閉幕までの理事会で決定する」と話しました。
 「大屋根リング」は、1周約2km、高さ最大20mで、閉幕後の活用方法について、これまで北東部分の200mをモニュメントとして残す案や、南側の600mをそのまま残す案などが検討されています。
 6月3日に行われた検討会では、大阪府と大阪市が新たに、北東部分の200mについて「人がのぼれる形」で残す案を提示。費用は、跡地開発を行う事業者が負担する想定で、さらに、この案が実現しなかった場合に備えてウォータープラザに面した南側の600mのうち350mについて、まちづくり開発が始まるまでの約10年間は、そのまま残す案も示されていました。
(【速報】万博の『大屋根リング』閉幕後の活用 北東の200mか南側の350m「のぼれる形」で残置へ 費用や運営主体「府民・市民の理解が得られる形で」(2025年6月23日掲載)|YTV NEWS NNN)

万博リング保存、結論持ち越し 8月末までの合意目指す―検討会
2025年06月23日19時10分配信 時事ドットコム

 リングを巡っては、閉幕後に一部を会場跡地に残す方向でおおむね一致。検討会は、北東の200メートルか海側の350メートルを「人が上れる形」で保存するための方法を議論している。
 この日の会合では、原形に近い状態の「建築物」として残す案に加え、屋根部分のみを「準用工作物(物見塔)」として残す案も可能であると確認。物見塔とする場合、リングの下の部分は使えなくなるが、新たな防火対策が不要で、コストが抑えられる。
 大阪府の吉村洋文知事は検討会終了後、記者団の取材に応じ、「運用方法を考えても観光地にある展望台と同じ扱いの物見塔が現実的だ」と述べ、物見塔案が有力との見方を示した。協会の十倉雅和会長は記者会見で、「人が上って歩ける形で残すということで皆で知恵を絞っている」と話した。
(万博リング保存、結論持ち越し 8月末までの合意目指す―検討会:時事ドットコム)

大屋根リングが『展望台』に!?万博閉幕後に改修工事不要の“準用工作物”として扱う案が浮上 吉村知事「国交省とも協議進んでいる」
6/23(月) 19:40配信 MBSニュース

 大阪・関西万博のシンボル・大屋根リング。閉幕後の保存に「展望台」として扱う案が浮上です。
 (大阪府 吉村洋文知事)「観光地にある展望台と同じような扱いの『物見塔』というのが非常に現実的だろう」
 6月23日、新たに提案されたのは、万博の大屋根リングを「展望台」として扱う案です。大屋根リングの保存をめぐっては、「人が上がれる形」で活用するため、北東部分200mの管理費用を負担できる事業者を公募する案と、事業者がいなかった場合に南側の350mを残す案が検討されています。
 200mを保存する案については、改修工事の費用の問題などから「人が上がれる形で保存するのは難しい」との声が事業者から上がっていました。
 23日の検討会では、大屋根リングを展望台のような「準用工作物」として扱えば、改修工事がいらないことから、その案を軸に協議を進めているとしました。
(大屋根リングが『展望台』に!?万博閉幕後に改修工事不要の“準用工作物”として扱う案が浮上 吉村知事「国交省とも協議進んでいる」(MBSニュース) – Yahoo!ニュース)

大屋根リング議論で露呈した場当たり対応 建設は「突然」、解体のはずがレガシーへ保存
6/23(月) 19:57配信 産経新聞

大阪・関西万博のシンボル、大屋根リングについて、日本国際博覧会協会は23日、関係機関との間で、一部保存の方針を確認した。リングを巡っては、建設から保存方針の決定に至るまで場当たり的な対応が目立つ。協会が万博のシンボルと位置付けるリングは、皮肉にも運営の計画性のなさを象徴する建築物にもなっている。
協会はリングについて「多様でありながら、ひとつ」という会場デザインの理念を表しているとうたう。だが、万博誘致時の当初計画にはなかった建築物で、2020年末に発表された計画に盛り込まれた。
協会副会長(理事)を務める関西経済連合会の松本正義会長は過去の会見で、リング設置について「経済界がイエスといったか記憶がない」「突然、建築の専門家が入ってきてそうなった」と不快感を示していた。
(大屋根リング議論で露呈した場当たり対応 建設は「突然」、解体のはずがレガシーへ保存(産経新聞) – Yahoo!ニュース)

大屋根リング、一部保存で2案検討 来場者「採算ラインに」 万博協会
6/23(月) 19:42配信 電波新聞デジタル

 大屋根リングは、大阪・関西万博のシンボルとなっている木造建築物で全周約2025メートル、高さ約12メートル。今回、建築面積が6万1035.55平方メートルであることから、世界最大の木造建築物としてギネス世界記録に認定されている。
 残置が検討されているのは、会場入り口となる東ゲートに近い北東部のリングまたは海側にかかる南東部のリング。十倉会長は閉幕後の大屋根リングについて「目に見える形で残せるように議論している。1周残すことは耐火構造の問題で費用もかかる。一部を残し、リングに上って歩ける形にする」と説明した。
(大屋根リング、一部保存で2案検討 来場者「採算ラインに」 万博協会(電波新聞デジタル) – Yahoo!ニュース)

万博「リング」一部保存で議論 新たな防火対策不要の案も提示
6/23(月) 14:58配信 毎日新聞

 大阪・関西万博の大屋根「リング」の閉幕後の活用について、国、大阪府と大阪市、経済界の代表者らが23日午前、同市内で会合を開いた。大阪府の吉村洋文知事によると、リングを原形に近い形で一部保存する場合、建築基準法に基づく建築物としてだけではなく、同法に基づく準用工作物(物見塔)として扱うことも可能とする案で合意した。準用工作物として扱えば、リングの下側は使えないが、新たな防火対策は不要だと説明している。近く概算の費用を算定する。
 会合終了後、吉村氏は報道陣に対して「現実的には準用工作物だと思う。ビルのような防火対策は要らないので、費用面が変わる。実態としても展望台に近い。これが主軸で、適切だと思う。国土交通省とも協議が進んでいる」との見解を述べた。
(万博「リング」一部保存で議論 新たな防火対策不要の案も提示(毎日新聞) – Yahoo!ニュース)

万博リング再利用で24億円追加 協会、一部予備費を充当
6/19(木) 19:03配信 共同通信

 大阪・関西万博の会場シンボル、大屋根リングを閉幕後に解体し、木材としてリユースするのに必要な費用について、日本国際博覧会協会(万博協会)が現時点で最大約24億5千万円と想定していることが分かった。新たな負担で、このうち約17億円分は会場整備費の予備費で賄う可能性がある。23日の理事会で負担の是非を諮る。関係者が19日、明らかにした。
 1周約2キロのリングは、一部を現地で保存するよう吉村洋文大阪府知事が提案。それ以外を需要に応じて木材として活用し、残りは破砕してチップとしてリサイクルする形が見込まれる。
(万博リング再利用で24億円追加 協会、一部予備費を充当(共同通信) – Yahoo!ニュース)

【速報】万博の『大屋根リング』閉幕後の活用 北東の200mか南側の350m「のぼれる形」で残置へ 費用や運営主体「府民・市民の理解が得られる形で」
6/23(月) 12:42配信 読売テレビ

 大阪・関西万博のシンボル「大屋根リング」の閉幕後の活用方法を議論する検討会が23日に行われ、リングに「人がのぼれる形」で北東部の200mか南側の350mのどちらかを残す形で進めていく方向で検討を続けることが決まりました。
 吉村知事は、「どのくらいコストがかかるか8月末までの協議し、万博閉幕までの理事会で決定する」と話しました。
 6月3日に行われた検討会では、大阪府と大阪市が新たに、北東部分の200mについて「人がのぼれる形」で残す案を提示。費用は、跡地開発を行う事業者が負担する想定で、さらに、この案が実現しなかった場合に備えてウォータープラザに面した南側の600mのうち350mについて、まちづくり開発が始まるまでの約10年間は、そのまま残す案も示されていました。
(【速報】万博の『大屋根リング』閉幕後の活用 北東の200mか南側の350m「のぼれる形」で残置へ 費用や運営主体「府民・市民の理解が得られる形で」(読売テレビ) – Yahoo!ニュース)

万博リングどう残す…剰余金団体が管理、運営費の黒字充てる案
6/18(水) 10:51配信 読売新聞オンライン

 大阪・関西万博のシンボル・大屋根リングの一部保存に向け、大阪府と大阪市が、万博の運営費の剰余金の管理団体が管理主体となる案を23日の検討会で提案することがわかった。複数の関係者が明らかにした。運営費が黒字になれば、保存費用に充てることを想定している。検討会は、行政が管理主体となる案と並行して議論し、8月末までに結論を出すことを目指す。
 リングを巡っては、国と日本国際博覧会協会(万博協会)、大阪府・市などでつくる検討会が3日、1周2キロのうち、北東200メートルか南350メートルのいずれかを残す方向で検討していくことを確認していた。
 北東200メートルは、府と市が秋以降に開発事業者を公募する地域にあり、リングも事業者の負担で保存を求める。応じる事業者がなかった場合、北東200メートルは解体・撤去し、南350メートルの保存を目指す。
(万博リングどう残す…剰余金団体が管理、運営費の黒字充てる案(読売新聞オンライン) – Yahoo!ニュース)

投稿日:2025年6月25日

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