
夢洲に並び立つ、万国の夢を詰めこんだ仮設の殿堂——だがそのいくつかの夢には、重く沈む帳簿の影が落ちていた。中国館、マルタ館。いずれも万博の華やかな景観の一端を担いながら、その背後では支払いの滞った工事費が、沈黙とともに膨らんでいた。
6月、ひとりの二次下請け業者が口を開いた。中国館で電気工事を担った彼の会社は、昨年秋からの追加工事費およそ3700万円を受け取れずにいたという。それは、一次下請けを通じて流れるはずだった金が、さらにその元請けによってせき止められていたからだった。その額、1億1千万円。
そしてこの声に呼応するように、「マルタ館」でも同様の声があがった。未払いを訴える業者たちは、大阪府庁で記者会見を開き、「被害者の会」を結成した。祝祭の表層をなぞるだけでは見えてこない、夢洲の裏側に渦巻く現実。装飾と光の下に潜む不穏な経路を、私たちは今、静かに辿っている。
万博中国館でも工事費未払い「1.1億円」主張 アンゴラ、マルタと合わせ150人被害か
6/13(金) 21:57配信 産経新聞大阪・関西万博の海外パビリオンを巡り、建設費の未払いトラブルが相次いでいる問題で、中国館の建設に関わった2次下請け会社社長の男性が13日に記者会見し、追加工事費約3700万円が未払いだと明らかにした。元請け側から1次下請け側への約1億1千万円の未払いが影響したと訴える。
男性によると、この2次下請け会社は中国館で電気工事を担当していたが、昨年11月以降の追加工事費約3700万円について、1次下請け側からの入金が滞った。元請け側が1次下請け側に支払うべき約1億1千万円が未払いであることが原因だという。
男性は、業界内で相次ぐ未払いトラブルの解決を求めて今年3月に大阪府へ情報提供したことを踏まえ、「何の進展もなく歯がゆい」と語った。
(万博中国館でも工事費未払い「1.1億円」主張 アンゴラ、マルタと合わせ150人被害か(産経新聞) – Yahoo!ニュース)
中国館、マルタ館でも未払い 万博工事「被害者の会」が会見 大阪
6/13(金) 20:20配信 時事通信大阪・関西万博のパビリオン工事費の未払い問題を巡り、被害者の会が13日、大阪府庁で記者会見を行い、新たに「中国館」と「マルタ館」の工事に携わった会社が加入したと明らかにした。
同会代表の男性によると、アンゴラ、中国、マルタ館の工事で未払いの影響を受けている関係者は計約150人に上るという。
また、マルタ館工事の下請け会社社長によると、元請けの外資系イベント会社から、建設費や追加工事費など計約1億2000万円が支払われていないという。下請け会社は5日、元請け会社に支払いを求めて、東京地裁に提訴した。
(中国館、マルタ館でも未払い 万博工事「被害者の会」が会見 大阪(時事通信) – Yahoo!ニュース)
万博マルタ館の工事費1.2億円未払い 下請け業者が支払い求め提訴
6/13(金) 20:30配信 毎日新聞大阪・関西万博に出展しているマルタパビリオンの建設工事を請け負った関西の建設会社が、工事費用の一部が未払いだとして、元請けの外資系イベント会社(東京都)に対し、約1億2000万円の支払いを求めて東京地裁に提訴した。建設会社の代表が13日、大阪市内で記者会見して明らかにした。
提訴は5日付。訴状などによると、マルタは、参加国が独自に建設する「タイプA」のパビリオンで出展。建設会社は2月3日、元請けと約2億5300万円で建設工事の請負契約を結んだ。既に約1億4900万円は支払われたが、パビリオンの解体費用を除いた約7733万円と、追加工事費約4083万円が未払いとなっていると訴えている。
元請けは、費用を支払わない理由として工期の遅れなどを主張しているという。しかし、2月ごろになっても最終的な図面が示されなかったといい、建設会社は遅れの原因は元請けにあると反論している。
建設会社の代表は記者会見で「指示通りに工事し、工期に間に合わなかったという認識はない」と述べた。マルタパビリオンは万博が開幕した4月13日からオープンしている。
(万博マルタ館の工事費1.2億円未払い 下請け業者が支払い求め提訴(毎日新聞) – Yahoo!ニュース)
大阪・関西万博 相次ぐパビリオン建設費の未払いトラブル「中国パビリオン」でも 被害業者は集団訴訟の動き
6/17(火) 8:32配信 AERA DIGITAL開幕から2カ月がたった大阪・関西万博だが、パビリオン建設を請け負った業者への工事費の未払いトラブルが続出して、請け負った業者を苦しめている。これまでネパール、アンゴラなどのパビリオン建設での未払いトラブルがわかっていたが、中国パビリオンでも、請け負った業者間で未払いトラブルが起きていることがわかった。
新たに未払いトラブルが明らかになったのは中国のパビリオンの建設工事。工事費未払いを訴える業者らが「被害者の会」に加わって6月13日に記者会見した。集団訴訟も検討しているとして、「このまま未払いが続けば会社が立ち行かなくなる」と訴えた。
「世界の大国、中国のパビリオン工事でお金がもらえないなんて、信じられません。民間事業ですが、万博という世界的なイベントですし、実質的には公共工事のようなつもりで請け負いましたから、よけいにショックですよ」
X社はもともと、別の国のパビリオンの工事を請け負っていた。そこに、中国パビリオンの施工を担当している名古屋市のY建設から電気工事の依頼があった。工事を請け負っていたパビリオンが中国パビリオンと近接していたため、作業員や機材の融通もきくと判断したA社長は、自社だけでなく関西の別の会社2社に声をかけ、昨年3月に3社で中国パビリオンの電気工事を請け負ったという。X社がY建設に発行した見積書には、総額1億円超の見積額が記されている。
中国パビリオンの電気工事は開幕直前まで続いた。A社長はこう話す。
「何度も設計の変更があり、繰り返しやり直したのが、ぎりぎりまで工事に時間がかかった最大の理由です」
(大阪・関西万博 相次ぐパビリオン建設費の未払いトラブル「中国パビリオン」でも 被害業者は集団訴訟の動き(AERA DIGITAL) – Yahoo!ニュース)