
倉敷・児島の静かな町角に、潮の香りとはまた違う、不思議な輝きが運び込まれた。大阪・関西万博ポーランド館で人々を惹きつけた岩塩の彫刻が、野崎家塩業歴史館へとやって来たのである。
光を受ければ淡く透き通り、近づけば海の底のように重みを帯びる岩塩。その板に彫られた鶴は、まるで空へ舞い立つ直前の一瞬を閉じ込めたようで、王冠の置物は遥かヨーロッパの宮廷の気配をそっと漂わせている。いずれも世界遺産ヴィエリチカ岩塩坑で生まれた、遥かな地層の記憶を宿す作品だ。
寄贈したのは、かつて岡山大学で学び、岡山に長く暮らしたマレック・ジェペツキ氏。万博での成功と、日本への感謝の思いが結晶となり、この2点が歴史館へ届いたという。
塩が結ぶ縁というものは、時に海を越え、文化を越え、人の心の奥へ静かにしみ込んでいく。展示が始まれば、訪れた人はきっと、岩塩の透明な輝きの向こうに、ポーランドと岡山が織り上げた静かな物語を感じるだろう。
大阪・関西万博ポーランド館の岩塩彫刻 岡山・倉敷 塩業歴史館で常設展示へ
11/16(日) 21:03配信 山陽新聞デジタル10月に閉幕した大阪・関西万博の海外パビリオン「ポーランド館」で展示していた岩塩の彫刻作品が16日、岡山県倉敷市児島味野の野崎家塩業歴史館に寄贈された。今後、同歴史館の世界の塩作りを紹介するコーナーで常設展示する。
板状の岩塩に鶴を彫ったオブジェ(縦40センチ、横20センチ)と、王冠をモチーフにした置物(幅、高さ各15センチ、奥行き10センチ)の2点。同国南部の世界遺産「ヴィエリチカ岩塩坑」で採掘した岩塩の塊を素材に用いている。
寄贈は、パビリオン副館長を務めたマレック・ジェペツキ氏(49)=大阪市=の申し出により実現。ジェペツキ氏は岡山大への留学経験があり、万博準備に携わるまでは岡山市に約20年間在住していた。ポーランドの岩塩を展示している同歴史館を訪れたこともあり、声をかけたという。
同歴史館で寄贈式を行い、ジェペツキ氏が「パビリオンではインパクトがあると好評だった。ポーランドをより身近に感じてもらいたい」とあいさつ。宮崎健司学芸員は「めったに見られない作品。塩を巡る文化の違いを感じてほしい」と話していた。
(大阪・関西万博ポーランド館の岩塩彫刻 岡山・倉敷 塩業歴史館で常設展示へ(山陽新聞デジタル) – Yahoo!ニュース)
ポーランド岩塩ご寄贈いただきました
6 時間前弊館でいただいたのは2点、王冠と鶴です。
鶴は日本の象徴的な鳥ということで贈られました。
王冠は同じものがあり、片方は上海にご寄贈なさったそうです。
岩塩作品は全部で4点あったうちの2点を弊館にご寄贈いただきました。
これはマレック・ジェペツキ様から岡山への感謝の印でもあります。
ご自身が岡山大学に留学された経験があり、また今も岡山を拠点とされており、弊館にも何度かご来館なさっていた縁によってご寄贈の運びとなりました。
今後は展示館にて公開いたしますのでどうぞよろしくお願いいたします。
(ポーランド岩塩ご寄贈いただきました)