Swing Out Sister──その名を聞くだけで、都会の夜風やグラスの氷が頭に浮かぶような、洗練と余裕に満ちた響き。実際、ステージに現れた彼らはまさにその「スタイリッシュ」という幻想の体現だった。音の粒の一つひとつが艶やかで、会場全体が静かに洒落込んでいくのがわかった。
3曲目に早くも「BREAK OUT」。ただしこれは、原曲とは少し趣が違う。テンポを落とし、しっとりと聴かせる今風のアレンジ。思わず姿勢を正し、目を閉じてしまう。けれどもやはり、あの胸を弾ませる原曲の疾走感も恋しい。
12曲の本編が終わり、場内に漂う名残惜しさ。と、その空気を破るように始まったアンコール。そして再びの「BREAK OUT」。今度は、あの軽やかで陽気なバージョン。高揚感が駆け上がる。まさか一晩で二度もこの曲を味わえるとは。
2020年、チケットを手にしながら幻と消えたライブ。それからの長い時間を越えて、ようやく辿り着いたこの夜。待った甲斐があった。これはただのコンサートではなく、ひとつの巡礼だった。
●スウィング・アウト・シスター
Billboard Live東京
2024年4月2日(火) 1st stage（17：30開演）
01.SURRENDER
02.INCOMPLETE
03.BREAKOUT SLOW
04.SOMEWHERE DEEP
05.LA LA
06.FOREVER BLUE
07.YOU ON MY MIND
08.OUT OF REACH
09.FEEL FREE
10.TWILIGHT WORLD
11.NOW YOU’RE NOT
12.STONED SOUL
BREAK OUT
スタイリッシュな美学に貫かれた音楽センスで、デビュー35周年を経た今もなお絶大な人気を誇るUKポップ・デュオ、スウィング・アウト・シスターが、ビルボードライブのステージにカムバック。1986年の2ndシングル「ブレイクアウト」が全米6位の大ヒットを記録。同曲を収録した翌年のデビューアルバム『ベター・トゥ・トラベル』が全英チャート初登場1位に輝くなど、シーンに華々しく登場して以来、その徹底した音楽センスでファンを魅了し続ける彼ら。ポップの魔法に彩られた、アンディとコリーンによる華麗なステージをお見逃しなく。(Billboard Live東京 HP)
【Live Photo】先日開催された『#SwingOutSister』公演のライブフォトが到着📸日本への敬意と愛が溢れたステージを披露してくれました🌸永遠に色褪せる事のない #スウィングアウトシスター、春のツアーも残すは大阪公演のみ！どうぞお見逃しなく！
— Billboard Live TOKYO【ビルボードライブ東京】 (@billboardlive_t) April 5, 2024
📸: Masanori Naruse#billboardlivetokyo pic.twitter.com/yS6H6FyFIi