
夏の光が白く反射する夢洲の地には、今日も人の波がうねっている。世界中の知恵と熱狂が入り交じる大阪・関西万博。だがその賑わいの奥に、奇妙な影が潜んでいるという噂を聞いた。
パビリオンのスタッフと来場者との間に起こる、小さな軋み。写真を口実にした不意の接触、見知らぬ者に向けられる執拗な視線――それは文明の祭典に忍び込む、原始的な衝動のようでもあった。
それでもパビリオンは今日も光り輝いている。人類の英知が形になった場所だ。ヘルスケアの未来を語る声が響き、ロボットが舞い、空気はきらきらと震えている。スタッフたちは笑顔を絶やさず、無数の来場者と向き合い続ける。人間の行動のすべてを「未来のデータ」として抱きとめるように。
万博協会は公式に注意を呼びかけた。マナーと敬意が未来社会の土台であると。しかし同時に、ここに集まる人々の熱狂こそが、この奇跡の博覧会を生かしているのだ。ルールと情熱の間で、夢洲は今日も揺れている。
夕暮れ、海風が少し涼しくなり、パビリオンの灯りが順々に点りはじめる。そこに立つ人々の姿は、まるで1970年の太陽の塔の影を引き継ぐようだった。混沌の中に希望を見いだそうとする、人間そのものの姿である。迷惑行為の騒ぎすら、この壮大な実験の一部なのかもしれない。私たちは何を学び、どんな未来を選び取るのだろう。夢洲の空には、静かに次の光が生まれつつあった。
万博会場でスタッフと「記念撮影」すき見て体すり寄せ… パビリオンで相次ぐ迷惑行為
2025/8/5 11:05 産経新聞:産経ニュース大阪・関西万博のパビリオンで、来場者が「記念撮影」を口実にスタッフにすり寄って身体を接触させたり、付きまとったりする迷惑行為が相次いでいることが分かった。日本国際博覧会協会(万博協会)は違法行為に当たる可能性もあるなどとして警告している。
万博関係者によると、一部のパビリオンでは来場者の男性がスタッフに「一緒に写真を撮影したい」と頼み、撮影のために並んだスタッフに、すきを見て体をすり寄せるといった行為を確認。また、特定のスタッフを執拗に撮影するほか、関係者を装って名前を特定したスタッフに声を掛け、付きまとうケースなどもあったという。
万博協会は7月末、「ご来場者様へのお願い」と題する文書を公式サイトに掲載し、スタッフに対する無断撮影がプライバシーや肖像権の侵害に当たる場合があると警告。身体接触や付きまといなどを含め、法令に違反する恐れもあるとし、迷惑行為に及ばないよう呼びかけている。
あるパビリオンの関係者は「スタッフが来場者から『一緒に撮影したい』と声を掛けられることは多い。迷惑行為は困るが、マナーを守って声を掛けてくれるなら、喜んで撮影に応じる」と話す。
(万博会場でスタッフと「記念撮影」すき見て体すり寄せ… パビリオンで相次ぐ迷惑行為 – イザ!)