
子どもの頃、テレビの向こうで活躍するウルトラマンたちを眺めながら、怪獣よりも気になっていたものがあった。それがウルトラ文字である。空に現れる不思議な記号のような文字列。あれはいったい何と書いてあるのだろう。もし自分で書けたなら、きっととてつもなく格好いいに違いない。そんなことを考えながらノートの隅に真似して描いてみたものの、当然ながら解読には至らない。
やがて時は流れ、ウルトラ文字のことなどすっかり忘れて大人になった。仕事に追われ、電車に揺られ、子どもの頃に憧れた宇宙の言葉は記憶の奥底へ沈んでいた。
ところがある日、祖師ヶ谷大蔵を歩いていると、不意にその文字が現れた。ウルトラマンの故郷ともいえるこの街には、思いがけない場所にウルトラの気配が潜んでいる。ふと目にしたウルトラ文字は、まるで封印されていた記憶の扉を開く鍵のようだった。あの頃の自分が抱いていた憧れや謎めいた興奮が、一瞬で胸の中によみがえる。
さらに驚くべきことに、今ではインターネットで検索すればウルトラ文字の一覧表まで見つかる。かつては宇宙人しか読めないと思われた文字が、いまや誰でも解読できるのである。子どもの頃の自分に教えたら、きっと飛び上がって喜んだに違いない。
祖師ヶ谷大蔵を歩くというのは、単なる街歩きではない。忘れていた憧れを拾い集める小さな冒険だ。そして二十一世紀という時代は、遠いM78星雲の言葉さえ手の届く場所に連れてきてしまった。やはり未来とは、こういうことなのだと思う。








ウルトラサイン ウルトラ戦士たちが通信用に使用する信号。手などからエネルギーを発射し、上空や宇宙空間にウルトラ文字を描くことで伝達される。「ウルトラマンA(エース)」で初めて導入された。
(【記事全文】「シン・ウルトラマン」宿命の主演・斎藤工 公開直前インタビュー「これぞ特撮という最高に格好いい形」 – スポニチ Sponichi Annex 芸能)