
角松敏生の名を追い、夜の東京をさまよって辿り着いたのはBillboard Live TOKYOであった。都会の喧騒を一枚隔てた先にあるその空間は、少し背筋が伸びるようでいて、同時に音楽に身を委ねるための柔らかな闇を備えている。
この夜に掲げられた題は“Kadomatsu Plays The Guitar vol.5”。角松敏生がギターを手に、ただ自分のために音を鳴らすと宣言したような響きがあった。
本人の口から、長いツアーを走り抜けた末のご褒美のような公演だと語られたとき、なるほどと腑に落ちる。そこには流行や代表曲への配慮よりも、今この瞬間に鳴らしたい音だけが並んでいた。
正直に言えば、耳に馴染んだ曲はほとんどなかった。しかし不思議なことに、そのことが少しも障りにならない。むしろ、角松敏生が心から満足して演奏している姿を眺めるうちに、こちらも同じ満足を分け前として受け取っていた。
ギターの一音一音は端正で、無駄な装飾を拒むように真っ直ぐである。それでいて、長年積み重ねられた時間の厚みが、音の隙間から静かに滲み出る。Billboard Liveのコンパクトな客席は、そのニュアンスを逃さず受け止め、演奏者と聴き手の距離を極端に縮めていた。
会場には徹底した感染対策が施され、緊張感も漂っていたが、それさえもこの夜の記憶の一部となる。制約の多い時代のなかで、それでも音楽は確かに鳴り、深く届いた。知識や予習を超えて、演奏者の現在をまるごと体験する贅沢。角松敏生の名を目印に、この場所へ足を運ぶ理由は、それだけで十分にある。

TOSHIKI KADOMATSU Performance 2022
角松敏生“Kadomatsu Plays The Guitar vol.5”
魅力的な心地よいサウンドで、時代も世代も超えて大きな支持を集めるシンガー・ソングライター/プロデューサーの角松敏生が、秋のビルボードライブへ登場!妥協を許さないスタンスとクオリティーで常に音楽シーンの最前線で活動し続けた角松は昨年ついにデビュー40周年を迎え、今年は『THE MOMENT』以来約8年ぶりとなるオリジナル・アルバム『Inherit The Life』のリリースが決定。今回は、こだわりのギター・プレイと歌声をたっぷりと聴かせる“Plays The Guitar”シリーズ、待望の第5弾。彼の音楽家人生の中での様々な経験が“角松敏生の音楽”として昇華される貴重なステージをお見逃しなく。11/03 (Thu) 1st stage open 15:30 start 16:30
Price
DXシート DUO: ¥30,000 (5)
DUOシート: ¥28,900 (5)
DXシート カウンター: ¥15,000 (5)
S指定席: ¥13,900 (5)
R指定席: ¥12,800 (5)
カジュアル: ¥12,300 (4)
(角松敏生|イベント詳細|ビルボードライブ東京|Billboard Live(ビルボードライブ))
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(角松敏生 @ Billboard Live TOKYO (東京都) (2022.11.03) | ライブ・セットリスト情報サービス【 LiveFans (ライブファンズ) 】)
角松敏生、こだわりのギタープレイと歌声で魅せるBillboard Live公演が決定 https://t.co/iG9jbDd4Uc pic.twitter.com/1bP24kLMYy
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) August 22, 2022
