TM NETWORK――その名を聞くたび、心の奥で電子音が静かに点滅する。デジタルと情熱が共存していたあの時代の象徴。
その四十周年のアリーナツアー最終戦、舞台はKアリーナ横浜。初めて訪れるその空間は、巨大な船のようだった。
二万人をのみ込む広大なホールには、開演前から淡い興奮の波が漂っていた。見渡せば、ほぼ満席。長い歳月を越えても、この三人の放つ光は色褪せない。
開幕戦でも体験した「Self Control」「Maria Club」の高揚感を、今度は少し落ち着いて受け止める。あの頃の自分が胸を焦がした音が、今も正確に心臓を叩く。
光が瞬き、リズムが跳ね、観客の身体が自然と同期していく。まるで大きな都市が一つの生命体になったようだった。
そして本編が終わった瞬間、不意に始まる“one more song”。この流れは開幕戦にはなかった。
スクリーンに映る文字が光を放ち、ステージに現れたのはB’zの松本孝弘。会場全体がどよめく。ギターの一音が空気を切り裂くたび、時代がもう一度始まる。
そして最後に“more more”の呼び声が響き、まさかの「Get Wild」。
歓声は嵐のように広がり、誰もが心の奥で十代の自分と再会していた。電子の光が天井にまで届く。過去と現在、夢と現実が一瞬ひとつに溶ける。その瞬間、TM NETWORKという存在が、ただのグループではなく“時間そのもの”であることを思い知らされる。
Day40 5月19日(日)
神奈川県 Kアリーナ横浜
開場15:30 /開演17:00
Self Control
Maria Club
1974
Carry on the Memories
Confession
A Day In The Girl’s Life
Carol’s Theme Ⅰ
Chase In Labyrinth
Gia Corm Fillippo Dia
In The Forest
Carol’s Theme Ⅱ
Just One Victory
Coexistence
Whatever Comes
RAINBOW RAINBOW
TK Solo
Get Wild Continual
ACCIDENT
Electric Prophet
intelligence Days
Be Together
Get Wild
(TM NETWORK Official)