
1998年、コンビニという日常の極北に、ひそやかな革命が起きていた。セブンイレブンの棚に、フィリップ・スタルクの文房具が並んでいたのである。
カッターやはさみ、ブラシといった身近な道具が、4、500円ほどで手に入るという事実は、当時の私にとってほとんど事件だった。店内の一角に設けられた“スタルク・コーナー”は、小さな美術館のようであり、日用品とデザインの境界が静かに溶けていた。
なかでもカッターは忘れがたい。無機質なはずの道具に、どこか生き物のような曲線が与えられ、ボタンは炎のように揺らめく形をしている。指で押すたび、ただ紙を切る以上の行為をしている気がした。
コンビニでデザインを買うという、少しだけ未来めいた体験。あの頃は、日常の中にさりげなく美しさが忍び込んでくる、そんな夢のような時代だったのである。









セブン-イレブンが雑貨のオリジナルブランド発売
1998.10.19
(株)セブン‐イレブン・ジャパン(本部=東京都港区、03・3459・3711)は10月20日、有名デザイナーのフィリップ・スタルク氏と共同開発した文具・日用品のオリジナルブランド「STARCK FOR SEVEN‐ELEVEN」を全店で発売する。
(セブン-イレブンが雑貨のオリジナルブランド発売 – 日本食糧新聞・電子版)