
かつてIBMが放った未来のかけらは、いまや静かな記憶の断片となって指先に収まる。
OS/2 Warpは、MS-DOSの先を行くべく生まれた野心的なOSだった。32ビット化やマルチタスク、オブジェクト指向のGUIなど、当時としては少し先を行きすぎた機能を備え、まるで時代の先端を滑空する装置のようだった。「Warp」という名もまた、どこか宇宙へと抜けていく響きを持っている。
その宣伝のために配られたクリップは、ただの事務用品でありながら、不思議な存在感を放っている。紙を束ねるだけの役目のはずなのに、そこには確かに“未来を挟み込む”ような感覚があった。
一見すると何でもない小物だが、手に取ると、あの頃のパソコンの起動音や、まだ見ぬ世界への期待がよみがえる。OS/2 Warpのクリップとは、過ぎ去った未来をそっと留めておくための、小さな装置なのである。


