赤坂の夜を包み込んでいたBLITZの灯は、もう存在しない。だが、あの八夜だけは、確かにこの街の空気を震わせていた。KRAFTWERK――機械仕掛けの詩人たちが、未来の亡霊のように現れ、一夜ごとに異なるアルバムを掲げては、電子の夢を鳴らした。音は幾何学のように整い、光は数式のように踊った。そこにあったのはライブというより、音と人間の関係を実験する儀式だった。
そして迎えた最終戦は「Tour De France」。自分のささやかな財布を叩いて選び抜いたその夜は、まるで世界の終わりに立ち会うような静けさを孕んでいた。巨大な映像が壁いっぱいに広がり、車輪の回転とともにリズムが脈を打つ。電子の汗をかいたアスリートたちが、都市の上を駆け抜けていくようだった。
この日だけは写真撮影が許されていた。レンズ越しに見た光の粒は、冷たいはずの電子音を不思議なほどあたたかく感じさせた。アンコールの照明が再び灯ると、観客の胸の奥で何かが解き放たれる。
祝祭の最後の一音が消えた瞬間、すべての人が無言で立ち尽くした。未来はとうに来ていた――そのことを、あの夜のBLITZが静かに教えてくれた。
3Dカメラのパッケージは毎回そのアルバム仕様
『3-D CONCERTS 1 2 3 4 5 6 7 8』最終日のDAY 8は、自転車マニアでもあるKRAFTWERKが作りあげたアルバム『ツール・ド・フランス/Tour De France』をメインに約2時間のステージを魅せてくれました!
2013年5月16日(木) 赤坂BLITZ
DAY 8 『ツール・ド・フランス/Tour De France』– encore –
- TOUR DE FRANCE 1983 + INTRO
- TOUR DE FRANCE ETAPE 1 / 3
- CHRONO
- TOUR DE FRANCE ETAPE 2
- VITAMIN
- AERODYNAMIK / TITANIUM
- ELEKTROKARDIOGRAMM
- LA FORME / R?G?N?RATION
- AUTOBAHN
- RADIOACTIVITY
- TRANS-EUROPE EXPRESS
- THE ROBOTS
- SPACELAB
- THE MODEL
- THE MAN MACHINE
- NUMBERS
- COMPUTER WORLD
- HOME COMPUTER
- COMPUTER LOVE
- BOING BOOM TSCHAK
- MUSIQUE NON STOP
会場内を飛び交うラチェット音に思わず聞き惚れてしまったDAY 8。今年で100回目を迎える「ツール・ド・フランス」の世界をたっぷりと堪能出来たのではないでしょうか?
- POCKET CALCULATOR
- DENTAKU
- PLANET OF VISIONS
そして!8日間で今日だけのアンコール!さらにステージ前方での挨拶に驚いた方も多いのではないのでしょうか?
(UDOホームページから)

(UDOホームページから)