ウェイクフィールド・ウェストゲート駅に降り立つと、鉄と風が交わる匂いがする。どこか懐かしく、そして新しい。
1856年に産声を上げたこの駅は、何度も生まれ変わりながらも、町の鼓動をずっと見守ってきた。石造りの時代を過ぎ、質素な近代化の時代を経て、いまやガラスと光に包まれた姿で立っている。
プラットフォームに立てば、列車の響きがカルダー川の流れと重なり、遠い世紀の音を呼び覚ます。産業と信仰が息づく大聖堂の街ウェイクフィールド——その心臓の鼓動が、ここから始まっているのだ。
19世紀の石炭のにおい、20世紀の埃、21世紀の透明な光。それらが折り重なり、駅舎の壁を透かして時代の層が見える。再建された駅舎の屋根の下で、人々は今日も行き交う。彼らの足音は過去と未来を結ぶ列車のリズム。ウェイクフィールドは静かに、けれど確かに、時間の旅を続けている。
↑ wikipediaでの写真
ウェイクフィールド ウェストゲートの駅近く
ウェイクフィールド ウェストゲート/Wakefield Westgate
- ウェイクフィールド ウェストゲート駅情報
- 駅開設:慶応3年5月1日 今年目
- 乗降客数:6,595人 (2022-23年)