夏休みの後に始まった第一週目の厳しいトレーニングにもかかわらず、FCバイエルンのテゲアン湖畔のキャンプ地に姿を表すセバスチャン・ダイスラーは、ここ数日、とてもリラックスしていて、機嫌が良い。よほど良い休暇を過ごせたのだろう。
「ここ数年で初めて」彼は、4週間もの時間をかけて、足腰と精神を休息させ、多難の先シーズンから回復することができた。うつ病を克服した(すでに過去の話)24歳の彼は、次のシーズンでついに全面攻撃を仕掛けるつもりだ。
Rottach-Egernのチームの宿泊先である「Bachmair Alpina」ホテルにてダイスラーは、月曜日に「バイエルンに来て初めてベストコンディションで練習に入ることができて本当にうれしい」と、語った。「気分は最高だし、本当に幸せな気持ちさ。シーズンが始まるのが待ちきれないよ」。
マガット監督・アイヒコーン・ロイトハートのトレーナーチームが行う練習プログラムもダイスラーは楽しんでいる。とは言っても、彼も他の選手と同じく少々疲れ気味でもある白状した。「上達していることに気が付けば、いかに厳しい練習でも楽しくなるんだ。サッカー選手にとっては、身体が上手く機能していることが最高なことなんだ」。
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これには、ミッドフィールド選手がこれまで、自ら努力を惜しんでいなかったことも影響している。モルジブで3週間休暇を過ごした間も怠けず、ダイスラー専用に組まれたトレーニングプランに沿って身体作りを行っていた。「やった甲斐があったよ。さもなければ今のコンディションは保たれなかっただろうね」。
過去数年間の「ひざの故障」もあって、準備を整えた上でトレーニングにのぞむのことが大変重要なポイントになっていた。「ベストコンディションを整え、ひざを安定した状態に保つには、常にその努力を怠らないようにすることが大切だ」。ポジティブな副産物として、数キロをマレディーヴェンに落としてくることができた。「魚をたくさん食べたんだ」と彼はウインクした。
ダイスラーがフェリックス・マガット監督のコンセプトの中で新シーズンでどのポジションを占めるかは(「8月始めには彼の定位置をしめるに違いない」)、まだ定かではない。バイエルンの26番は、「ポジションについてはまだ話していない。まだ練習に入って一週間では早すぎる。恐らくこれからもっと先が見えてくるだろう」と、語る。
彼がミッドフィールドの右(アウト)サイドのポジションより、中心かやや右よりを好むことも有名である。「私はアウトサイドに適してはいない」。彼は1メートル以内にアウトラインを見ると「不幸な」選手である。「他のポジションの方が僕はチームに大いに貢献できると思う」と、ダイスラー。
ドイツ代表チームへのカムバックはダイスラーはとりあえず白紙にしている。彼が8月18日にオーストリアで開催される次の国際試合に出場するかどうかは、代表チームの監督が決めることだと彼は語った。とにかく、代表チームに入れるかどうかというプレッシャーを負わないようにしていると言う。「ベストを尽くすのみだよ。できることはできる。できないことはできないだけさ」と、重すぎる期待は避けた。
ドイツサッカー協会の選定に関しては、ダイスラーは他の人たちのように将来を暗く考えてはいない。「みんな大いに嘆いてはいるが、僕としてはこの先、すばらしいチームができると思うよ」と彼は語る。「大変残念」だったのは、オットマ・ヒッツフェルトがルディ・フェラーの後任を辞退したことだ。
しかしながらダイスラーは、この決定を尊重するとも語った。「彼がテレビインタビューで語ったことは的を得ていると思う。いろいろ考えされられるね。家族の期待に答えなければならず、自身も燃え尽きたため、どうにもならないという時期があるんだ。そんなときは本人の決断を尊重しなければならない」。