ストロムフェリー駅は、キャロン湖の南岸にひっそりと腰を下ろしながら、かつては世界の端として賑わった記憶を胸に秘めている。線路がここで尽きていた二十七年間、村は列車と蒸気船の交差点となり、湖面には旅の期待が反射していた。対岸には城跡が影となり、潮と鉄の匂いが混じり合う。日曜日の魚輸送を巡る騒動さえ、この土地では伝説めいて響く。
やがて線路はさらに西へ伸び、役割を終えた駅は静けさを取り戻したが、その静けさは衰退ではなく、時間を濾過した後の澄明さである。フェリーの名を残しながらフェリーを持たぬ村は、道路標識の冗談めいた気配とともに、訪れる者に想像の余地を与える。ここで降り立つことは、かつての終着に身を置き、湖と物語の余白に耳を澄ますことなのだ。
ストロムフェリーの駅近く