ストラスカーロン

Strathcarron

ストラスキャロン駅は、ハイランド北部の静脈にそっと触れるように置かれた、辺鄙という言葉がよく似合う停車場である。小さな村と湾の村を結ぶ線路は、旅人の都合よりも地形の気まぐれを尊重して敷かれ、1869年から70年にかけての建設の労苦が、今も空気の奥に沈んでいる。

格子桁の歩道橋は世紀をまたいで立ち、列車の到来を遠くから知らせる合図のようだ。周囲には広い空と湿った草地があり、村は慎ましく息づく。ここで降りる理由は観光名所ではなく、立ち止まる必然である。線路の先に続く余白が、旅心を静かに呼び覚ます。

ストラスカーロンの駅近く

update: 2024年8月19日