ロガート駅に降り立つと、広大な囲まれた野原という名の由来が、なるほどと胸に落ちてくる。サザーランドの内陸にひらけたこの地は、かつては教会を核に小作人の営みが点在する、静かな時間の集積にすぎなかった。だが鉄道が敷かれた一八八六年、風向きは変わる。線路は地形をなぞるだけでなく、人の重心をも動かし、ピッテントレールの周囲に新たな村の輪郭を描いた。
歴史の端正な層が折り重なり、遠く異国の戦場に名を刻んだ人物の出身地であることも、この土地に密かな奥行きを与えている。駅から見渡す野原は、囲われながらも窮屈ではなく、時間を抱え込んで静かに息づく。ロガート駅は、鉄道が村を生み、村が風景になる瞬間を、今も淡々と保存する入口である。
ロガートの駅近く