ピトロッホリー

Pitlochry

ピトロッホリー駅は、列車が山の気配を帯びはじめる瞬間に、慎ましくも誇らしげに姿を現す。ビクトリア朝の石造りの町と歩調を合わせるように、ホームの建物は堅牢で、旅人の時間をゆっくりとほどいていく。女王が高原に恋をし、鉄道が夢を運び込んだ結果、この町は劇場や渓流、山々を従えた避暑の王国となった。

駅を出れば、鋳鉄の天蓋が影を落とす通りが伸び、サーモン・ラダーの水音が遠くで旅程を促す。ここは通過点ではない。列車を降りる決断そのものが、ハイランドへの正式な入国手続きとなる。

ピトロッホリーの駅近く

update: 2022年12月24日