モントローズ駅に降り立つと、町は二つの河口に抱かれた静かな誇りを見せる。かつて王立自治都市として海と商いを支配した記憶が、広い通りの奥でゆっくり呼吸している。歩けば石の建物が光を受け、港へ向かう風が遠い交易の匂いを運ぶ。視線を上げれば、潮の満ち引きに揺れるモントローズ盆地が現れ、白鳥の群れが時の深さを測る。
町外れのダン・ハウスは、理性と夢想が均衡する十八世紀の幻影だ。列車は旅人をここへ運ぶが、この町は容易に手放さない。足を止め、回り道をし、もう一度海を見るために、また戻ってきたくなる場所である。
モントローズの駅近く