キントーア駅は、時間に置き去りにされ、そして再び呼び戻された場所である。十九世紀に産声を上げ、いったん眠りについた線路は、2020年、少し場所を変えて静かに目を覚ました。ドン川の流れに寄り添う町は、王室自治都市としての矜持を胸に秘め、足元には新石器時代からの人の営みを重ねている。
さらに地中深くにはローマ軍の野営地の記憶が埋まり、帝国の野望と撤退の気配が漂う。駅から町へ歩けば、王と兵士と無名の人々が交差した長大な時間の層が、風景の隙間から立ち上がり、旅人を歴史の只中へと引き込んでいく。
キントーアの駅近く