インヴァネス駅は、ハイランドの物語が一斉に乗り換える場所である。十九世紀半ば、ジョセフ・ミッチェルの設計によって生まれた駅舎は、北へ向かう意思そのもののように静かに構え、かつて高く覆われた屋根の下に旅人の期待を集めてきた。アカデミー通りの時計は夜を照らし、時間さえもこの町の味方につける。
駅を出ればネス川が緩やかに流れ、戦場の記憶と都市の成長が同じ風に吹かれて並走する。最北の都市にして玄関口、ここから先は地図が物語に変わる。列車を降りる一歩で、ハイランドは旅人の側へ歩み寄ってくる。
インヴァネスの駅近く