ハントリー駅に降り立つと、線路脇にひっそりと残る貨物ヤードが、町の記憶を今も抱え込んでいることに気づく。倉庫の壁には、運ばれ、積まれ、去っていった無数の品々の気配が染みついている。かつて全面屋根に守られた駅舎は、旅人を迎える堂々たる門構えであったというが、その面影は想像の中でこそ鮮やかだ。
駅を出れば、ここがゴードン・ハイランダーズ連隊の拠点であった歴史が、町の空気に重層的な緊張を与えている。ボギー川とデヴェロン川の合流点には、新石器時代から人が集い、丘には鉄器時代やピクト人の遺構が折り重なる。要衝として城が築かれ、権力と裏切りが土地を巡った。ハントリーとは、列車で訪れる一地点であると同時に、幾千年の時間を一息に吸い込む入口なのである。
ハントリーの駅近く